掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: DataCite

母親の学歴・就業・栄養知識と子どもの発育を調べる

研究チームは、3〜6歳の子どもの栄養状態が、母親の学歴、就業状況、栄養に関する知識とどのように関連するかを調べました。あわせて、母親向けの栄養教育の前後で、知識に変化があるかを確かめました。

対象は、インド南部タミルナドゥ州ディンディグルの2校に通う子どもとその母親130組です。質問票で母親の背景や子どもの食習慣を調べ、子どもの身長、体重、腹囲を測定しました。身長や体重は年齢・性別ごとの基準値と比較し、母親の各要因との関連を分析しました。

栄養知識は身長・体重の状態と関連

著者らは、母親の栄養知識と子どもの身長・体重の状態の両方に、統計的に有意な関連があったと報告しています。栄養知識が良好と分類された母親の子どもは、知識が乏しいと分類された母親の子どもより、身長や体重が正常と判定される割合が高いという結果でした。

一方、母親の学歴と子どもの身長・体重の状態には、統計的に有意な関連は認められませんでした。就業状況については体重の状態との関連が認められ、正常体重の子どもの割合は、働いている母親の家庭で57.1%、専業主婦の家庭で39.8%でした。身長の状態と就業状況には、有意な関連は認められませんでした。

栄養教育後に知識の得点が上昇

研究チームは、バランスのよい食事、必要な栄養、間食の選び方、食事の与え方などを扱う栄養教育を実施しました。栄養知識を問う10問の質問票を教育の前後に用いたところ、平均得点は7.08から9.55へ上昇し、統計的に有意な改善が報告されました。

ただし、母親の背景と子どもの発育との関連は、一時点の状態を調べた結果であり、原因と結果を示すものではありません。栄養教育も比較対象となる対照群を設けずに評価しており、子どもの栄養状態を改善したと示す結果ではありません。この研究は、母親の栄養知識と子どもの発育との結びつき、そして教育後に知識が向上したことを伝えています。

原著論文の著者・所属:Sangamithra S.1, Lally Hanna Luke*1

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sangamithra S.1, Lally Hanna Luke*1. ASSOCIATION OF MATERNAL EDUCATIONAL, OCCUPATIONAL AND NUTRITIONAL KNOWLEDGE FACTORS WITH THE NUTRITIONAL STATUS OF PRESCHOOL CHILDREN AGED 3–6 YEARS". Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-11-01. DOI: 10.5281/zenodo.23798947. 原著ライセンス:CC BY.