著者の所属・活動拠点の国は、ロシアです。
掲載誌:Achievements of Science and Technology in Agro-Industrial Complex
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
微生物の組み合わせによる防除を調べる
研究チームは、トマトの生産性を低下させるネコブセンチュウに対し、菌類と細菌を組み合わせて被害を抑えられるかを調べました。ネコブセンチュウは植物の根に寄生し、こぶを生じさせる線虫です。この研究では、微生物を単独で使う場合と、複数を組み合わせる「コンソーシアム」として使う場合の効果を比較しました。
一緒に培養できる組み合わせを選び、幼虫への効果を比較
研究チームはまず、菌類と細菌それぞれ3種の菌株を使い、寒天培地上で一緒に培養できる組み合わせを調べました。その結果、5通りの組み合わせに適合性が認められました。続いて、各菌株とその組み合わせについて、ネコブセンチュウの一種Meloidogyne haplaの第2期幼虫に対する殺虫活性を比較しました。
この試験で最も高い活性を示したのは、菌類のT. ghanenseと細菌のB. mycoidesの組み合わせでした。著者らによると、72時間後の幼虫の死亡率は88.8%に達し、培養液をろ過した液を使った場合も85.6%でした。
鉢栽培でも根のこぶが減り、収量が増えた
次に研究チームは、蒸気処理した土壌を入れた5リットルの容器でトマトを栽培し、1株当たり500匹の幼虫を接種して効果を調べました。微生物を組み合わせた処理では、根のこぶの数が1株当たり7.4〜10.2個に抑えられたと報告しています。収量は1株当たり2.5〜2.6キログラムで、線虫に感染させた対照区の1.8キログラムを上回りました。
著者らは、適合性のある菌類と細菌の組み合わせは、菌株を単独で使うより効果が高かったと報告しています。今回の結果は、試験した条件では、微生物を組み合わせることがトマトのM. haplaによる被害を抑える生物的防除の有望な要素となることを示しています。
原著論文の著者・所属:M. N. Chernyakovich(Federal Scientific Center for Biological Plant Protection)、S. N. Nekoval(Federal Scientific Center for Biological Plant Protection)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):M. N. Chernyakovich, S. N. Nekoval. Efficacy of fungal and bacterial consortia against root-knot nematodes (Meloidogyne spp.) on tomato. Achievements of Science and Technology in Agro-Industrial Complex 2026-09-16. DOI: 10.53859/02352451_2026_40_7_33. 原著ライセンス:CC BY.