この研究は、ギリシャの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Recent Progress in Science and Engineering

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

保存中の品質変化を抑えられるか

研究チームは、食用グリーンオリーブの表面を食べられる薄い膜で覆うことで、保存中の色や食感、風味の変化を抑えられるかを調べました。比較したのは、植物由来のペクチン、食品の表面に膜を作る性質を持つキトサン、そして両者を混ぜたコーティングです。単独で使う場合と混ぜる場合で、品質を保つ働きにどのような違いがあるかも研究の目的でした。

温度を変えて、見た目や食感を比較

著者らは、各コーティングを施したオリーブと、コーティングを施さないオリーブを比較しました。いずれも袋の中の空気を窒素70%、二酸化炭素30%の混合ガスに置き換えて包装し、4℃、20℃、40℃で保存しました。保存中には重量、色、硬さ、pH、酸度、塩分を測定しました。また、オリーブの評価経験がある訓練された10人が、見た目や味、食感などを評価しました。

論文は、コーティングしたオリーブでは、しないものに比べて保存中の品質変化が抑えられ、全体としてペクチン単独の成績が最も良かったと報告しています。4℃で42日間保存した際の重量減少は、コーティングなしでは約2.7%だったのに対し、ペクチンでは約1.52%でした。ペクチンは色の変化や軟化も抑え、官能評価でも最も高い評価を保ちました。

キトサンや混合コーティングにも品質を保つ働きが見られましたが、混ぜればペクチン単独より良くなるという結果ではありませんでした。また、保存温度が高いほど、コーティングの有無にかかわらず品質の変化は速くなりました。

品質を保てる期間の予測

研究チームは、総合的な好ましさの評価が時間と温度によってどう低下するかを数式で表し、保存可能な期間を予測しました。論文が報告した4℃での予測期間は、コーティングなしで64日、ペクチンで111日でした。これは官能評価に基づくモデルの予測値であり、その日数まで実際に保存して確認した結果や、微生物学的な安全性を保証する期間ではありません。

この研究は、袋内のガスを調整した包装と食べられる膜を組み合わせることで、グリーンオリーブの見た目や食感、風味をより長く保てる可能性を示しています。比較した材料の中では、ペクチン単独が最も良好な保存性能を示しました。

著者:Τρύφων Κεκές、Constantina Tzia(Laboratory of Food Chemistry and Technology , School of Chemical Engineering , National Technical University of Athens , 5 Iroon Polytechniou St. , Polytechnioupoli , Zografou , 15780 , Athens , Greece;)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Τρύφων Κεκές, Constantina Tzia. The Effect of Edible Coatings in the Preservation of Green Olives. Recent Progress in Science and Engineering 2026-09-30. DOI: 10.21926/rpse.2603020. 原著ライセンス:CC BY.