ピリ辛でクセになる味わいの「セブラック」は、インドネシアで学生を中心に人気の高い屋台料理です。もちもちとした食感のクラッカーやこんにゃく風の材料を、香辛料の効いたスープで煮込んだこの料理は、炭水化物を多く含み、独特の風味で多くの若者を惹きつけています。一方で、こうした食べ物が歯の表面にくっつきやすい性質を持つ場合、口の中の衛生状態にどのような影響を与えるのかは、意外と知られていません。今回紹介する研究は、インドネシア・南スラウェシ州にある大学の学生を対象に、セブラックを食べる習慣と歯の汚れ(歯垢)の蓄積との関連を調べたものです。
研究でわかったこと
この研究は、南スラウェシ州シデンレン・ラッパン県にあるITKESムハマディヤ大学の学生を対象に行われた、横断的な観察研究です。研究チームは、あらかじめ定めた基準に基づいて35名の学生を選び出しました。
調査では、まずアンケートを用いてセブラックを食べる頻度などの摂取習慣についてのデータを集めました。あわせて、歯の汚れの程度を評価する「簡易デブリ指数(DI-S)」という指標を使って、参加した学生一人ひとりの歯垢の蓄積状況を測定しています。デブリ指数とは、歯の表面に付着した食べかすや汚れの量を数値化して評価する、歯科分野でよく使われる指標です。
研究チームは、こうして得られたセブラック摂取習慣のデータとデブリ指数スコアのデータについて、両者の間に統計的な関連があるかどうかを、カイ二乗検定という手法を用いて分析しました。有意水準は0.05に設定されています。背景として、セブラックは高炭水化物であり歯の表面に付着しやすいことから、口腔衛生が十分でない場合に歯垢の蓄積を助長する可能性があると考えられている、と研究チームは説明しています。
この研究の位置づけ・読むうえでの注意
今回参照した要旨には、具体的な分析結果の数値や、セブラック摂取習慣とデブリ指数スコアとの関連が実際に統計的に有意であったかどうかについての記載はありませんでした。そのため、この記事では研究の目的と方法までを中心に紹介しています。
また、対象となった学生は35名と限られた人数であり、特定の大学・地域の学生を対象とした調査です。得られた結果があったとしても、それがすぐに他の集団や食習慣全般に当てはまるとは限りません。あくまで一つの研究であり、結論が確定したわけではない点に留意する必要があります。
まとめ
身近な人気料理と口腔衛生の関係を科学的に検証しようとした点が興味深い今回の研究は、セブラックの摂取習慣と歯の汚れの指標との関連を、インドネシアの大学生35名を対象に統計的に分析したものです。詳しい結果については、原著論文で確認することができます。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:南スラウェシ州シデンレン・ラッパン県ITKESムハマディヤ大学学生におけるセブラック摂取習慣とデブリ指数スコアの関連(国際革新科学研究技術ジャーナル(IJISRT)・2026年08月)