著者の所属・活動拠点の国は、トルコです。

掲載誌:Osmaniye Korkut Ata Üniversitesi Fen Bilimleri Enstitüsü Dergisi

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

高地の牛肉生産に役立つ特徴を探る

研究者は、高地で育てた若い牛について、出荷前の体重や解体時に測る特徴が、肉質に関わる特徴とどのように結び付いているかを調べました。地域の在来種である東アナトリア赤牛を生産体系に取り入れることを念頭に、高地での飼育や牛の選抜に役立つ情報を得ることが目的です。

対象は、ブラウンスイスと東アナトリア赤牛、ホルスタインと東アナトリア赤牛、ブラウンスイスとホルスタインの交雑牛、計36頭です。各交雑群は雄6頭、雌6頭で、標高1,821メートルの研究施設で育てられ、いずれも20か月齢で食肉処理されました。

二つの特徴群をまとめて関連を調べる

研究者は、最終体重、処理直後の枝肉重量が生体重に占める割合、頭・足・皮の合計重量、骨盤内の脂肪と腎臓の合計重量、枝肉の長さを一つの特徴群にまとめました。枝肉とは、食肉処理で頭や内臓などを取り除いた部分です。もう一方には、加熱による肉の重量減少、背中の筋肉を覆う脂肪の厚さ、その筋肉の断面積、霜降りの程度、枝肉の形や肉付きの評価をまとめました。

解析には「正準相関分析」を使いました。これは、二つの特徴群から、それぞれ複数の測定値を組み合わせた指標を作り、両者の結び付きを調べる方法です。論文は、交雑群と性別ごとの解析で、最初の二組の指標間に統計的に有意な関連があったと報告しています。

関連を構成する特徴は、交雑群や性別で異なりました。雄では、三つの交雑群とも、筋肉の断面積と霜降りの程度が肉質側の指標との結び付きで目立ちました。雌では、ブラウンスイスと東アナトリア赤牛の交雑群で筋肉の断面積、ホルスタインと東アナトリア赤牛の交雑群で霜降り、ブラウンスイスとホルスタインの交雑群で脂肪の厚さが、それぞれ主要な特徴として挙げられています。

肉質を理解する補助的な手掛かり

著者は、観察数が限られることを踏まえ、結果を探索的な関連として慎重に解釈しています。指標同士の強い相関は、肉質を独立に高精度で予測できたという意味ではなく、成長に伴って複数の特徴が一緒に変化することを反映していると説明しています。

この研究が示すのは、高地で育てた牛の体重や解体時の特徴が、肉質の評価を支える手掛かりになり得るということです。ただし、著者は、これらの特徴だけで枝肉や肉質の直接測定を完全に置き換えることはできないと結論付けています。

原著論文の著者・所属:Sadrettin Yüksel(ATATURK UNIVERSITY, FACULTY OF AGRICULTURE; ATATÜRK ÜNİVERSİTESİ, ZİRAAT FAKÜLTESİ)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sadrettin Yüksel. A Canonical Correlation Analysis of the Relation between Carcass and Slaughter Traits in Cattle Formed to Produce Qualified Beef in the Plateau Condition. Osmaniye Korkut Ata Üniversitesi Fen Bilimleri Enstitüsü Dergisi 2026-09-09. DOI: 10.47495/okufbed.1866944. 原著ライセンス:CC BY.