著者の所属・活動拠点の国は、イタリア、イギリスです。

掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: DataCite

食の持続可能性と文化遺産をつなぐ

RELISHの研究チームは、欧州連合(EU)の食の持続可能性と文化遺産に関する政策を、実行の段階でどう結び付けられるかに着目しました。政策では食に関わる課題のつながりが認識されつつある一方、取り組みは分野ごとに分断されていると指摘しています。そこで、両者の接点として料理のレシピを取り上げ、文化や人々の行動を踏まえた食材の置き換えの可能性を検討しています。

伝統料理には、構造と柔軟性がある

この政策概要は、食材の置き換えに関するRELISHの「典型性」調査から、初期の実証的な知見を紹介しています。典型性とは、その料理らしさに関わる考え方です。著者らは、伝統料理には料理らしさを形づくる構造があると同時に、食材を変えられる柔軟性もあると報告しています。これを「構造を持った柔軟性」と捉え、料理の文化的な特徴は調査によって検討できるとしています。

料理らしさを踏まえて変更の余地を探る

著者らが示す意義は、単に「文化に配慮した食の提案が必要だ」と呼びかけるだけでなく、どの食材の変更が可能か、誰にとって受け入れられるか、どのような配慮や条件が必要かを具体的に確かめる道筋にあります。政策提言では、置き換えを段階的に評価することや、食文化を固定されたものではなく、多様で変化しうるものとして扱うことを挙げています。伝統を守ることと食を変えることを対立させず、料理らしさを踏まえて変えられる余地を探るという視点を示しています。

原著論文の著者・所属:Foinant, Damien(Institut Lyfe)、Borghini, Andrea(University of Milan)、Song, H. Rosi(Durham University)、Van Dyk, Janita(Durham University)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Foinant, Damien, Borghini, Andrea, Song, H. Rosi, et al. RELISH Policy Brief: Recipes for Just Food Systems Transformations. Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-08-31. DOI: 10.5281/zenodo.22209619. 原著ライセンス:CC BY.