掲載誌:SEHAT Jurnal Kesehatan Terpadu

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的と背景

子どもから思春期にかけては、そこで身についた行動や習慣がその後の健康の土台になる大切な時期です。著者らは、この時期に砂糖を加えた飲み物、いわゆる「砂糖入り飲料(SSB)」をとることが健康にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的に、この研究を行いました。

論文によると、世界保健機関(WHO)はSSBを、加糖された飲み物、すなわち調理済みの茶、風味付きの牛乳、野菜・果物飲料、風味付きの水、炭酸飲料などとして定義しています。また、WHOは「遊離糖」と呼ばれる添加された糖などの摂取を総エネルギー摂取量の10%以下にするよう勧めています。著者らは背景として、インドネシアのSSB消費量が東南アジアで3番目に多く、1人あたり年間20.23リットルに達するというデータを紹介しています。

どのように調べたか

この研究は、新たに参加者を集めて測定したものではなく、すでに発表された研究を集めて整理する「文献レビュー」です。著者らはPubMed、Frontiers、ScienceDirectという3つの電子データベースで、SSB、子ども、思春期の若者に関する論文を検索しました。

対象としたのは、2020年から2025年に発表された英語の原著論文やレビュー論文です。論文の選定はPRISMAと呼ばれる手順に沿って行われ、選ばれた9件の研究の内容が一覧としてまとめられています。

報告された主な健康への影響

著者らは、選ばれた研究から、SSBの摂取と関連する健康への影響として、肥満、心理的な問題、虫歯、メタボリックシンドロームのリスク、筋力の低下、実行機能の障害、そして「社会的時差ぼけ」を挙げています。社会的時差ぼけとは、体内時計と、学校などの社会生活に合わせた時間とのずれを指します。

肥満については、中国・江蘇省の調査で、生徒のSSB摂取が過体重・肥満と有意に関連しており、特に中程度から激しい身体活動が足りない場合にその傾向がみられたと紹介されています。心の健康については、1日1杯以上SSBを飲む子どもや若者で抑うつ症状との関連がよりはっきりしており、体脂肪が多い、または筋肉量が少ない人で目立ったとする研究が取り上げられています。

虫歯については、10歳と15歳の子どもで、甘い飲み物の摂取が虫歯経験の多さと有意に関連していたと報告されています。筋力については、中国の若者を対象にした研究で、甘い飲み物を週1〜2回、または週3回以上とる人は、週1回未満の人に比べて筋力が低いことと関連していたとされます。

実行機能とは、目標に向けて考えを組み立てたり、自分の行動や感情を調整したりする高度な思考の働きです。子どもを対象にした研究では、SSBを週2回以上飲む子どもほど、実行機能の障害を示す得点が高かったと紹介されています。このほか、SSBを週4回を超えて飲み、かつ握力が相対的に低い若者や、体重に対する腹囲の指標が高い若者で、心理的な症状のリスクが最も高かったとする研究も取り上げられています。

著者らは、炎症反応やストレスに関わるホルモンの働き、腸内細菌の変化など、考えられる仕組みも紹介しています。ただし、SSBが心の健康に影響する生理的な仕組みについては、さらに研究が必要だとも述べています。

この研究から伝わること

著者らは、子どもや若者の健康に対するSSBの影響についての研究はまだ発展の途中にあるとしたうえで、これまでの研究からは多くの悪影響がうかがえると結論づけています。そして、SSBを減らすことは食生活を改善するための重要な一歩であり、一人ひとりの健康だけでなく世界全体の健康の向上にもつながりうると述べています。甘い飲み物との付き合い方が、成長期の体と心の両面に関わる可能性を、幅広い研究を通して示したレビューといえます。

原著論文の著者・所属:Lela Dwi Andriani(Sekolah Tinggi Ilmu Kesehatan Maharani)、Nunik Pratiwi(Sekolah Tinggi Ilmu Kesehatan Maharani)、Ani Khoirinda(Sekolah Tinggi Ilmu Kesehatan Maharani)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Lela Dwi Andriani, Nunik Pratiwi, Ani Khoirinda SUGAR SWEETENED BEVERAGE (SSB) DAN RISIKO KESEHATAN PADA ANAK DAN REMAJA. SEHAT Jurnal Kesehatan Terpadu 2026-07-30. DOI: 10.31004/s-jkt.v5i3.60877. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。