著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。
掲載誌:Revista Tópicos.
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
ビワ(Eriobotrya japonica)は栄養価の高い果物として知られています。著者らは、その種子も食品や医薬品の分野で利用できる可能性があると述べています。種子を保存し、状態を安定させるには、水分を取り除く「乾燥」の工程が重要になります。
この研究で研究チームは、乾燥に使う空気の温度と風速によって、ビワの種子の乾き方がどう変わるかを調べました。あわせて、乾燥の進み方を最もよく表す数式モデルはどれかも検討しました。
何を調べたか
実験は3つの条件で行われました。温度50℃・風速毎秒1.5メートル、65℃・毎秒1.5メートル、65℃・毎秒1.0メートルです。どの条件でも、種子に含まれる水分が時間とともにどう減っていくか(乾燥速度論と呼ばれます)を追跡しました。
乾燥の指標の一つとして、「有効拡散係数」も求めました。これは、種子の内部で水分がどれだけ移動しやすいかを表す値です。値が大きいほど、内部の水分が表面へ移りやすいことを意味します。
さらに、乾燥の経過を表す数式として、Page、修正Henderson-Pabis、二項指数、Midilli、Verma、フィックの第二法則に基づくモデルの6つを、実験データに当てはめました。当てはまりの良さは3つの統計指標で比べています。決定係数(R²)、平均絶対パーセント誤差(MAPE)、平均二乗誤差(MSE)です。
主な結果
最も速く乾いたのは65℃・毎秒1.5メートルの条件で、短い時間で低い水分量に達しました。65℃・毎秒1.0メートルはそれに次ぎ、50℃・毎秒1.5メートルは最もゆっくり乾きました。
論文が報告した有効拡散係数は、50℃・毎秒1.5メートルで0.00119×10⁻¹⁰ m²/s、65℃・毎秒1.5メートルで0.00284×10⁻¹⁰ m²/s、65℃・毎秒1.0メートルで0.00197×10⁻¹⁰ m²/sでした。温度を上げたときの変化は、風速を変えたときより大きく現れました。このことから著者らは、乾燥の効率を左右する要因として、温度が風速より大きな影響を持つと結論づけています。
数式モデルについては、どのモデルも乾燥の経過をおおむね表すことができました。そのうえで統計指標を比べると、Midilliモデルが全体として最も良い当てはまりを示し、特に65℃の2条件で誤差が最も小さくなりました。二項指数モデルがこれに続く結果でした。
この研究が示すこと
この研究は、ビワの種子の乾燥では、空気の温度と風速、とりわけ温度が、乾く速さと内部の水分移動に直接関わることを示しました。また、適切な数式モデルを使えば乾燥の経過をよく再現できることも示されました。著者らは、こうしたモデルが乾燥条件を検討するための道具として役立つと位置づけています。
原著論文の著者・所属:Luana Zanardo de Andrade(Universidade Federal da Grande Dourados - UFGD Dourados, Mato Grosso do Sul, Brasil)、Leonardo Inácio Rodrigues(Universidade Federal da Grande Dourados - UFGD Dourados, Mato Grosso do Sul, Brasil)、Leandro Osmar Werle(Universidade Federal da Grande Dourados - UFGD Dourados, Mato Grosso do Sul, Brasil)、Raquel Manozzo Galante(Universidade Federal da Grande Dourados - UFGD Dourados, Mato Grosso do Sul, Brasil)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Luana Zanardo de Andrade, Leonardo Inácio Rodrigues, Leandro Osmar Werle, et al. INFLUÊNCIA DA TEMPERATURA E DA VELOCIDADE DO AR NA SECAGEM DA SEMENTE DE NÊSPERA (ERIBOTRYA JOPONICA) E AVALIAÇÃO DE MODELOS MATEMÁTICOS. Revista Tópicos. 2026-09-24. DOI: 10.70773/revistatopicos/790190763. 原著ライセンス:CC BY.