著者の所属・活動拠点の国は、ウクライナです。

掲載誌:Technology audit and production reserves

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

牛の由来と肉の品質を比較

研究チームは、牛の品種や交雑の組み合わせによって、肉の成分や加熱時の重量減少、食べたときのやわらかさなどがどう異なるかを調べました。目的は、それぞれの肉の特徴を把握し、調理や加工での使い分けに役立てることです。

対象は、スイス種の純血牛、スイス種とヘレフォード種の交雑牛、スイス種とベルジャンブルー種の交雑牛で、雄と雌の計6群を同じ条件で飼育しました。食肉処理後に4℃で24時間冷却し、第12~13肋骨の間にある背中の筋肉から試料を採取しました。成分を分析するとともに、オーブン加熱と、真空包装して低温で加熱するスーヴィード調理を比較しました。

ベルジャンブルーとの交雑牛は脂肪が少ない

著者らは、スイス種の純血牛とヘレフォード種との交雑牛では、肉のたんぱく質含有率が21.54~21.67%だったと報告しています。ベルジャンブルー種との交雑牛では20.11~20.71%で、やや低い傾向がありました。

脂肪含有率にも違いがありました。純血牛とヘレフォード種との交雑牛では2.70~2.87%だったのに対し、ベルジャンブルー種との交雑牛では1.56~1.63%と低く、水分の割合は高くなっていました。

脂肪の少なさと加熱時の重量減少は別の特徴

加熱による重量減少が最も大きかったのは、ベルジャンブルー種との交雑牛でした。この組み合わせの雌の肉では、通常の加熱で41.27%、スーヴィード調理で28.54%の重量が失われました。すべての群で、スーヴィード調理のほうが通常の加熱より重量減少が小さい結果でした。

官能評価では、ヘレフォード種との交雑牛が雄・雌ともにやわらかさで最も高い得点を示しました。著者らは、この交雑牛の肉について、やわらかさと加熱時の重量減少のバランスがよく、調理向けの品質を備えていると結論づけています。

今回調べた背中の筋肉では、脂肪の少なさ、やわらかさ、加熱後に残る重量という特徴が、同じ組み合わせでそろうわけではありませんでした。研究は、牛の由来に応じた肉の特徴と調理方法を合わせて考える意味を示しています。

原著論文の著者・所属:Vasyl Tischenko(Sumy National Agricultural University, Ukraine)、Volodymyr Ladyka(Sumy National Agricultural University, Ukraine)、Olexander Tymchenko(Sumy National Agricultural University)、Nataliia Bozhko(Sumy State University)、Maryna Samilyk(Sumy National Agricultural University, Ukraine)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Vasyl Tischenko, Volodymyr Ladyka, Olexander Tymchenko, et al. Evaluation of biochemical, technological and sensory qualities of beef obtained from animals of different origin. Technology audit and production reserves 2026-10-31. DOI: 10.15587/2706-5448.2026.376965. 原著ライセンス:CC BY.