この研究は、イタリアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Nutrients
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
栄養補助食品(サプリメント)の利用は大学生の間で広がりつつあり、その情報源は大学などの公的機関ではない場合が多いと著者らは指摘しています。そこで研究チームは、EUの規制上の定義に沿ったサプリメントについて、これまでに一度でも使ったことがある人の割合(生涯経験率)、利用と結びつく行動面の要因、そして本人が申告する有害な症状を調べました。
あわせて、使用頻度や利用する製品の種類の多さが安全性に関わる結果とどう関係するか、また学生が大学による啓発の取り組みをどれだけ受け入れるかについても検討しています。
調査の方法
研究チームは、カターニア大学の学生2001人を対象に横断研究(ある一時点の状況をまとめて把握する調査)としてアンケートを実施しました。
分析には多変量ロジスティック回帰という統計手法を用い、生涯にわたるサプリメント使用の有無、および大学が開く説明会への好意的な姿勢と関連する要因を探っています。結果はオッズ比(OR)で示され、1より大きいほどその要因を持つ人でその状態が生じやすい傾向を意味します。なお、これは関連の強さを示すもので、因果関係を示すものではありません。
報告された主な結果
サプリメントを使ったことがある人の割合は55.7%でした。最も強い関連要因は自己評価による知識の高さで、「ある程度知っている」と答えた人(OR = 4.02、95%信頼区間3.17〜5.10)と「よく知っている・十分に知っている」と答えた人(OR = 4.70、95%信頼区間3.44〜6.42)で同程度のオッズが示されています。
このほか、医療専門職からの情報(OR = 2.19、95%信頼区間1.59〜3.02)、友人からの情報(OR = 1.91、95%信頼区間1.37〜2.65)、理系分野に在籍していること(OR = 1.70、95%信頼区間1.23〜2.35)も、使用経験のオッズの高さと関連していました。
一方で、使用者の34.6%が、サプリメント摂取と時間的に前後して現れた症状を少なくとも1つ報告しています。それでも回答者全体の74.3%が大学による説明会を歓迎しており、使用者のなかでは、毎日サプリメントを摂ること(OR = 1.97、95%信頼区間1.23〜3.14)や喫煙していること(OR = 1.77、95%信頼区間1.24〜2.54)が、好意的な姿勢と有意に関連していたと報告されています。
この研究が示すこと
著者らは、学生が自分の知識を高く評価している一方で、摂取に伴う症状の申告も少なくないという隔たりに注目しています。そのうえで、学生が正式な情報提供を強く求めていることを踏まえ、大学が科学的根拠に基づく栄養とサプリメント安全性の教育を教育課程に組み込む必要性を結論として挙げています。
著者:Francesco Leonforte(Department of Integrated Hygiene, Organizational, and Service Activities (Structural Department), Health Management, University Hospital Polyclinic “G. Rodolico-San Marco”, 95123 Catania, Italy)、Vito Nicosia(Department of Medical, Surgical Sciences and Advanced Technologies “G.F. Ingrassia”, University of Catania, 95123 Catania, Italy)、Michelangelo Mercogliano(Department of Public Health, University “Federico II” of Naples, 80131 Naples, Italy)、Andrea Cavallaro(General Surgery III, Department of General Surgery and Medical-Surgical Specialties, University of Catania, AOU Policlinico “G. Rodolico-San Marco”, 95123 Catania, Italy)、Giustino Morlino(Department of Biomedicine and Prevention, University of Rome Tor Vergata, 00133 Rome, Italy)、Martina Chimienti(Department of Biomedicine and Prevention, University of Rome Tor Vergata, 00133 Rome, Italy)、Roberta Granata(Department of Medical, Surgical Sciences and Advanced Technologies “G.F. Ingrassia”, University of Catania, 95123 Catania, Italy)、Antonio Mistretta(Department of Medical, Surgical Sciences and Advanced Technologies “G.F. Ingrassia”, University of Catania, 95123 Catania, Italy)、Massimiliano Veroux(Department of Medical, Surgical Sciences and Advanced Technologies “G.F. Ingrassia”, University of Catania, 95123 Catania, Italy)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Francesco Leonforte, Vito Nicosia, Michelangelo Mercogliano, et al. Prevalence and Correlates of Dietary Supplement Use Among Italian University Students: A Cross-Sectional Study. Nutrients 2026-08-24. DOI: 10.3390/nu18172760. 原著ライセンス:CC BY.