研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
稲わらを反芻家畜の飼料に活かすには:加工技術、栄養価、給与反応、環境面のトレードオフを整理した総説
稲作では毎年大量の稲わらが発生します。論文が引用する推計では、世界の稲わら生産量は年間7億トンを超えます。一方で、収穫時期が限られることやかさばることが回収の妨げとなり、一部の稲作地域では今も畑での野焼きが行われています。牛や羊、水牛など、胃の中の微生物の働きで草の繊維を消化できる「反芻家畜」の飼料…
公開日: 2026年10月09日 17:28
マダガスカル南西部のサンゴ礁の食料システムはどう変わったか——地元の人々の知識から読み解く研究
サンゴ礁の漁業は、沿岸に暮らす人々にとって重要なタンパク質や微量栄養素の供給源です。しかし研究チームによれば、サンゴ礁は乱獲や気候変動、汚染といった圧力にさらされており、その変化が地元の食生活にどう跳ね返っているのかは十分に分かっていません。とくに漁獲の記録が乏しい地域では、長期の科学的モニタリング…
公開日: 2026年10月01日 02:40
馬乳の凍結乾燥技術の改良と、それを用いた発酵乳飲料の開発
馬乳は消化されやすいたんぱく質や生理活性成分、多価不飽和脂肪酸を多く含む栄養価の高い原料として知られています。しかし著者らによれば、その不飽和脂肪酸の多さがかえって弱点にもなります。不飽和な脂質は空気中の酸素と反応しやすく、保存中に酸化が進むと、味やにおいが損なわれ、栄養価も下がってしまうためです。
公開日: 2026年09月28日 17:32
冷凍保存でムール貝の品質と風味成分はどう変わるか——雌雄で異なる変化を追った研究
ムラサキイガイの仲間であるムール貝(ヒバリガイモドキ、学名 Mytilus coruscus)は、中国沿岸で広く養殖される重要な水産物です。新鮮なうちは独特の風味と食感が好まれますが、水分が多く組織が繊細なため傷みやすく、長期保存には冷凍が使われます。ただし冷凍中にも、水分の移動、たんぱく質の分解、…
公開日: 2026年09月25日 06:26
ナツメヤシ、オメガ3・オメガ6脂肪酸、食物繊維、プロバイオティクス ― 腸内細菌と酸化ストレスをめぐる統合レビュー
この論文は、ナツメヤシ(デーツ)の果実、オメガ3およびオメガ6の多価不飽和脂肪酸、食物繊維、プロバイオティクス(生きた微生物)という四つの食事要素を取り上げ、それらが腸の健康にどう関わりうるかを既存の研究からまとめ直した「統合レビュー」です。新しい実験を行ったのではなく、これまでに報告されてきた知見…
公開日: 2026年09月25日 05:34
カニ漁の持続と食品安全の両立を探る――米カリフォルニア州の生物毒対策をめぐる研究
2015年から2016年にかけて、米国西海岸沿いで「ドウモイ酸」という生物毒をつくる藻類の大増殖(ブルーム)が広範囲かつ長期にわたって発生しました。ドウモイ酸は藻類が産生する物質で、食物連鎖を通じて水産物に蓄積し、人が食べると健康被害を起こしうるため、水産物の安全管理上の懸念となります。このブルーム…
公開日: 2026年09月24日 23:32
五大湖の魚は「食べ物」であり「管理される資源」でもある――米国五大湖地域の水産流通を描く研究
五大湖地域には世界の地表淡水の20%以上が存在し、文化・経済・生態のいずれの面でも重要な水産業が営まれています。研究チームは、この地域の魚が「食べ物」であると同時に「管理される天然資源」でもあるという二重の性格を持つ点に注目しました。この二重性があるために、魚が水から消費者の手元へ届くまでの道筋を把…
公開日: 2026年09月17日 05:37
北欧の食事ガイドラインにフィンランドの成人はどれだけ沿っているか——全国調査データの再分析
食生活全体の質は、人々の健康を左右する大きな要因の一つとされています。各国・各地域では、科学的根拠にもとづいて「どの食品をどれくらい食べるとよいか」を示す食品ベースの食事ガイドラインが定められており、集団の実際の食べ方をこの目安と照らし合わせることは、リスクの高い集団を見つけ、栄養政策や行動変容の働…
公開日: 2026年09月15日 05:41
苦味のある葉野菜「ビターリーフ」は調理でどう変わるのか——既存研究の到達点と空白を整理した総説
ビターリーフ(Vernonia amygdalina Del.)は、西アフリカなどで古くから食べられてきた在来の葉野菜で、栄養に富む食材として知られています。しかし著者らは、これまでの研究の多くが生の葉そのものや実験室で調製した抽出物を対象としており、実際に人が食べる形、つまり下ごしらえや加熱を経た…
公開日: 2026年09月14日 02:21
チャヨテ(Sechium edule)の成分と生物活性を横断的に整理した総説研究
著者らは、ウリ科のつる性植物チャヨテ(学名 Sechium edule、ハヤトウリ)に関する研究を一つの総説としてまとめることを目的としました。チャヨテは中米メソアメリカ原産で、果実だけでなく葉・若い茎(シュート)・塊根・種子まで食べられる植物です。メキシコや中米、アジア、アフリカの伝統的な地域社会…
公開日: 2026年09月13日 20:18
植物性食品を中心にした食事と心血管代謝疾患の関係、これまでの研究を整理した総説
心臓病や糖尿病、脂質異常などをまとめて指す「心血管代謝疾患」は、世界的に深刻な健康課題となっています。こうした病気の予防や管理をめぐって近年注目されているのが、野菜や果物、全粒穀物、豆類などを中心とした「植物性食事」です。中国・杭州医学院公衆衛生学院と浙江省疾病予防管理センター栄養食品安全研究所の研…
公開日: 2026年09月09日 12:24
パンのアクリルアミドを減らす鍵は発酵種?乳酸菌と酵母の組み合わせを調べた研究
こんがり焼き上げたパンの香ばしさは、糖とアミノ酸が加熱によって反応する『メイラード反応』によって生まれます。ところがこの反応の副産物として、アクリルアミドという物質がわずかに生成されることが知られています。加熱調理された食品全般で生じるこの物質をできるだけ減らす方法は、食品科学の分野で長く研究されて…
公開日: 2026年09月07日 16:29