健康を意識した食品選びが世界的に広がる中で、ビタミンや食物繊維、たんぱく質を強化した「機能性食品」への関心も高まっています。しかし、こうした食品が実際にどれくらい消費者に理解され、選ばれているのかは国や地域によって大きく異なります。今回紹介する研究は、ヨルダン・ハシェミット王国の消費者を対象に、機能性食品に対する知識や消費実態を調べたものです。ヨルダン大学に所属する研究者らが実施しました。

誰を対象に、どう調べたのか

研究チームは、首都アンマン、南部の港湾都市アカバ、北部の主要都市イルビドという3つの都市から、機能性食品の消費者300人を無作為に選んでアンケート調査を行いました。調査の実施場所には、イルビドのアラベラ・モール、アカバのファウンテン・モール、アンマンのシティ・モールといったショッピングセンターが使われ、来店客の中から無作為に回答者が選ばれています。調べられたのは、消費者が機能性食品の見た目や品質、オーガニック性、パッケージ、製造基準、価格、機能性、ブランドといった特徴についてどの程度知識を持っているか、そして実際にどのような食品をどれくらいの頻度で口にしているかという点です。

調査でわかったこと

結果を見ると、回答者の30%以上が、機能性食品の見た目・品質・オーガニック性・パッケージ・製造基準・価格・機能性・ブランドといった特徴について高い知識を持っていると分類され、さらに約40%が「ある程度の知識」を持っていると分類されました。つまり全体としては、機能性食品について何らかの知識を持つ消費者が多数を占めていたことになります。

消費行動については、回答者の81%が、改良された穀物、キャノーラ油、りんごジュース、オーツ麦、パン、パプリカ、スカッシュ(かぼちゃの一種)、トマト、オレンジジュース、成分を調整したヨーグルト、ビタミン強化牛乳、ぶどうジュース、緑茶・生姜・ウコンといった抗酸化食品、エナジードリンク、豆類、にんにくなどを日常的に摂取していると回答しました。研究チームはこれらの結果から、消費者の信頼を高めるための啓発活動が、ヨルダンにおける機能性食品の普及を後押しする可能性があると指摘しています。

また年代による違いも見られ、50〜70歳の年配層は、Z世代やアルファ世代と比べて健康への意識が高い傾向にあったと報告されています。この年代層は生活の質の向上を目指す施策のターゲットとして重要だと研究チームは位置づけています。こうした結果を踏まえ、著者らは機能性食品の提供者や製造業者に対し、大学の食品専門家や食品科学者、企業と連携した研究開発(R&D)部門を設け、健康に資する食品開発を業界の最新動向に合わせて進めていくことを提案しています。

この研究を読むときの注意点

この調査は、ヨルダン国内の3都市のショッピングセンター利用者300人を対象にしたアンケートに基づくものです。対象地域や調査手法が限定されているため、得られた知見がヨルダン全体や他の国・地域にそのまま当てはまるとは限りません。また、この記事で紹介した内容はあくまで一つの研究結果であり、機能性食品の健康効果そのものを証明したり、特定の食品の摂取を推奨したりするものではない点にも留意してください。なお、この研究に日本の研究機関や日本の食品・食習慣への言及は含まれていません。

まとめ

今回の研究は、ヨルダンの消費者が機能性食品についてどの程度の知識を持ち、どのような食品を実際に選んでいるかを、都市部での聞き取り調査から明らかにしようとしたものです。多くの消費者が一定の知識を持ち、多様な機能性食品を日常的に摂取している一方で、年代によって健康意識に差があることも示されました。著者らは、消費者への啓発と、大学・企業が連携した研究開発の強化が、この分野の発展に役立つ可能性があると述べています。

※本記事は原著論文の翻訳ではなく、研究内容を独自に解説したものです。参考文献:Thamer Abu Zaid, Rahaf Husam Salah, Odai Yousef Azzam. The Characterization and Development of Innovative Functional Foods from Jordanian Agro-Food Resources: Bioactive, Sensory, Nutritional, and Functional Properties. イブン・シーナ医学・保健薬学ジャーナル (2026). DOI: 10.64440/ibnsina/sina0029. 原著ライセンス: cc-by-sa.