著者の所属・活動拠点の国は、イラクです。

掲載誌:FUDMA Journal of Sciences

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

イラクでは料理用のハーブやスパイスが日常的に広く使われています。研究チームは、こうした食品がもつ自然由来の放射能を調べ、基準となるデータを整えることが重要だと考えました。

この研究では、イラクの市場で手に入る12種類のハーブとスパイスを対象に、ラドン濃度、有効ラジウム含有量、表面ラドン散逸率、質量ラドン散逸率の4つを求めました。ラドンは、ラジウムなど自然界にある放射性物質から生じる気体の放射性元素です。散逸率は、試料からラドンがどれだけ放出されるかを示す値で、表面の面積あたりで表すものと、試料の重さあたりで表すものがあります。

調べ方

測定には、CR-39と呼ばれる固体飛跡検出器が使われました。これはプラスチック製の検出器で、放射線が通った跡が微細な傷として残る性質を利用して、放射性物質の量を見積もる道具です。

主な結果

著者らの報告によると、測定されたラドン濃度は1立方メートルあたり174.33〜292.74ベクレルで、平均は235.06ベクレル(±34.35)でした。ベクレルは放射能の強さを表す単位です。

有効ラジウム含有量は試料1キログラムあたり0.965〜1.621ベクレルで、平均は1.301ベクレル(±0.193)でした。表面ラドン散逸率は1平方メートル・1時間あたり0.102〜0.171ベクレル、質量ラドン散逸率は1キログラム・1時間あたり0.0085〜0.0143ベクレルの範囲でした。

調べた12種類のなかでは、ニンニクが今回の指標すべてで最も高い値を示し、クミンが最も低い値を示したと報告されています。

この研究が示すこと

この研究は、イラクの市場で流通するハーブとスパイスについて、天然放射能に関する基礎データを示しました。研究チームは、この結果が環境放射能の監視や、植物由来の食品について放射線量やリスクを詳しく評価する際の土台になりうるとしています。

原著論文の著者・所属:Dunya Kareem(Department of Physics, College of Education for Women, University of Kirkuk, Kirkuk, Iraq)、Sarah Darweesh(Department of Physics , College of Education for Women , University of Kirkuk , Kirkuk , Iraq)、Tariq Mohammed(Department of Physics , College of Education for Women , University of Kirkuk , Kirkuk , Iraq)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Dunya Kareem, Sarah Darweesh, Tariq Mohammed. Radon Concentration, Effective Radium Content and Radon Exhalation Rates in Culinary Herbs and Spices from Iraqi Markets using CR-39 Detectors. FUDMA Journal of Sciences 2026-10-16. DOI: 10.33003/fjs-2026-1020-6093. 原著ライセンス:CC BY.