この研究は、デンマーク、スウェーデンの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Clinical Nutrition ESPEN

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

慢性腎臓病(CKD)のある人では、血液中のカリウム濃度が高くなる高カリウム血症が問題になることがあります。その管理をめぐる栄養ガイドラインは、個々の状態に合わせてカリウム摂取量を調整する方法を重視しており、カリウムの少ない食品を選ぶことや、超加工食品を避けることが勧められてきました。超加工食品とは、工業的な加工を多く経て、食品添加物などを含む製品群を指す分類です。

ただし著者らによれば、超加工食品に用いられているカリウム添加物については、ほとんど分かっていませんでした。そこで研究チームは、カリウム添加物を含む超加工食品がどれくらいあるのか、どの食品カテゴリーに多いのか、どの添加物が多いのか、そしてそれらがどの機能分類に属するのかを明らかにすることを目的としました。

調べ方

研究チームは、ある時点の状況を切り取って調べる横断的な食品表示分析を、2024年9月から2025年12月にかけて実施しました。超加工食品かどうかの判定には、加工の程度によって食品を分けるNOVA分類という仕組みを用いています。

対象として、幅広い製品を捉えられるようデンマークの3つのスーパーマーケットチェーンを選びました。製品の情報は各スーパーのオンライン上の販売サイトを通じて調べ、あらかじめ定めた12の食品カテゴリーに割り当てたうえで、含まれているカリウム添加物を記録しています。

報告された主な結果

5884点の超加工食品を分析した結果、27.8%の製品が少なくとも1種類のカリウムを含む添加物を含んでいたと報告されています。一方で6.5%の製品については、カリウム添加物が含まれているかどうか不明でした。

カテゴリー別に見ると、少なくとも1種類のカリウム添加物を含む製品の割合が最も高かったのは清涼飲料などのノンアルコール飲料で70.9%、次にソース類が57.0%、魚・魚介類とその加工品が44.5%、果物・野菜とその加工品が30.1%、そのまま食べられる調理済み製品が29.6%でした。

個別の添加物では、E202(ソルビン酸カリウム)が60.6%と最も多く、続いてE950(アセスルファムカリウム)が19.7%、E501(炭酸カリウム類)が8.8%でした。

この研究が示すこと

著者らは、カリウム添加物が超加工食品に広く使われており、とくにノンアルコール飲料、ソース類、魚・魚介類とその加工品において、気づかれにくいカリウムの供給源になりうると結論づけています。

食品表示を手がかりにこうした分布を示したことで、高カリウム血症のリスクがあるCKDのある人に対する食事指導の重要性が改めて浮かび上がり、食品を選ぶ際に添加物への接触という視点を意識することの意義が示されました。

著者:Kenneth M. Christensen(Internal Medicine Research Unit, University Hospital of Southern Denmark, Aabenraa, Denmark; Department of Regional Health Research, University of Southern Denmark, Odense, Denmark. Electronic address: [email protected])、Carla María Avesani(Division of Renal Medicine, Renal Research Novum, Department of Clinical Science, Intervention and Technology, Karolinska Institutet, Stockholm, Sweden)、Hanne Agerskov(Department of Nephrology, Odense University Hospital, Odense, Denmark; Department of Clinical Research, University of Southern Denmark, Odense, Denmark)、Frans Brandt(Internal Medicine Research Unit, University Hospital of Southern Denmark, Aabenraa, Denmark; Department of Regional Health Research, University of Southern Denmark, Odense, Denmark)、Jan Dominik Kampmann(Internal Medicine Research Unit, University Hospital of Southern Denmark, Aabenraa, Denmark; Department of Regional Health Research, University of Southern Denmark, Odense, Denmark)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Kenneth M. Christensen, Carla María Avesani, Hanne Agerskov, et al. Potassium additives in ultra-processed foods identified from food label-analysis: More than meets the eye. Clinical Nutrition ESPEN 2026-09-03. DOI: 10.1016/j.clnesp.2026.105086. 原著ライセンス:CC BY.