著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Multidisiplin
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
著者らによると、インドネシアのブンクル市では海産物を使った飲食店が増えています。その一つ「センサシ・クラン」は、貝をパダン風ソースで仕上げた料理を看板商品にしています。量や辛さを選ぶことができ、手ごろな価格で提供されています。著者らの事前の観察では、この料理は辛味とうま味が強く、香辛料が豊かな味わいだとされています。
著者らは、飲食店どうしの競争が激しくなるなかで店の競争力と存続を支えるには、客がこの商品をどう評価し、どのように購入を決めているのかを知る必要があると考えました。そこで研究チームは、この商品に対する消費者の「態度」と「行動」を分析することを目的としました。ここでいう態度とは商品を好ましく思うかどうかという評価や傾向を指し、行動とは購入に至る意思決定を指します。
何をどう調べたか
研究チームは数値を使った量的な方法をとり、「フィッシュバインのモデル」と呼ばれる消費者分析の枠組みを用いました。このモデルでは、商品のいくつかの特徴(属性)について、客が「この商品はその点で優れている」とどの程度信じているか(信念)と、その特徴を自分がどの程度好ましく評価するか(評価)を数値化します。両者を掛け合わせた値を全属性で足し合わせたものが、商品への総合的な態度の値(Ao)です。値が0より大きければ態度は肯定的、0より小さければ否定的と判断します。
評価の対象にした属性は、味、価格、色、香り、店の場所の五つです。点数には、マイナス2からプラス2までの5段階の尺度(リッカート尺度)が使われました。
さらに著者らは、周囲の人の考えについての受け止めや、それに従おうとする気持ちから成る「主観的規範」も測りました。そのうえで、個人の態度(内的な要因)と主観的規範(外的な要因)にそれぞれ重みをつけて合計し、消費者の行動の値(B)を求めました。著者らの基準では、この値が0より大きければ、客はこの商品に対してロイヤル(継続して選ぶ傾向がある)とみなされます。
主な結果
商品に対する総合的な態度の値は9.49で、0を上回る肯定的な範囲にありました。著者らはこれを、客がこの商品を好む傾向があり、再購入につながる可能性があることを示すものと解釈しています。
属性別に見ると、最も高かったのは味で3.18でした。続いて色が1.86、香りが1.70、店の場所が1.53、価格が1.21でした。著者らは、味が客の好意的な態度を形づくる主な要因であり、見た目や香りも客の期待に合っていると述べています。価格については、受け入れられる水準と評価されているものの、味ほど大きな要因ではないとしています。
行動の値は10.41で、こちらも肯定的な範囲でした。この値の内訳では、個人の態度に由来する部分が7.88、周囲の影響を表す主観的規範に由来する部分が2.53で、前者が大きく上回りました。客への聞き取りでも、多くの人がおいしさや独特の味付け、手ごろな値段を購入の理由に挙げました。また回答者は、家族や友人の誘い、ソーシャルメディアの影響だけで買ったわけではなく、商品の質を知ったうえで自分の意思で購入を決めたと述べています。一方で、友人の勧めやソーシャルメディアの情報は、購入前に確信を強める補助的な要素になっていたと報告されています。
研究から見えること
著者らは、この店の客がパダン風ソースの貝料理を買う判断は、周囲からの社会的な影響よりも、品質や味、価格、場所についての自分自身の信念や評価に、より多く基づいていると結論づけています。味への評価が特に高かったことも踏まえ、著者らは、味や素材の質を安定して保ち、客の満足を高めることを店の取り組みの中心に置くよう提案しています。この論文は、研究チームが地域の一軒の飲食店の看板商品を対象に、客の評価と購入の判断の仕組みを数値でとらえようとした事例といえます。
原著論文の著者・所属:Shuzan Anugrah(Universitas Dehasen Bengkulu)、Herri Fariadi(Universitas Dehasen Bengkulu)、Ana Nurmalia(Universitas Dehasen Bengkulu)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Shuzan Anugrah, Herri Fariadi, Ana Nurmalia Analysis of Consumer Attitudes and Behavior Toward Padang-Style Clam Sauce Products at the Sensasi Kerang Restaurant in Bengkulu City. Jurnal Multidisiplin 2026-09-08. DOI: 10.70963/jm.v3i1.840. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。