さらりと飲める牛乳と、スプーンですくうヨーグルト。食感は違いますが、含まれる水分の割合はほぼ同じです。一方、とろりとした口当たりのカマンベールは、どちらよりも水分が少なめ。乳はどのように固まり、あのやわらかさや濃さが生まれるのでしょうか。
ヨーグルトは、水分を保ったまま固まる
普通牛乳100gに含まれる水分は87.4g。水切りをしていない全脂無糖のヨーグルトは87.7gで、どちらも重さの約9割が水分です。
働いているのは乳酸菌です。乳に含まれる糖、乳糖を分解して乳酸を作り、乳を酸性にします。すると、たんぱく質の一つであるカゼインが固まり、水分を含んだまま、スプーンですくえる状態になります。口にしたときの酸味も、この乳酸によるものです。
カマンベールは、水分を分けてから熟成させる
チーズ作りでも乳を固めますが、そのあとに液体を分けます。乳酸菌や酵素の働きでできた固まりから取り除く液体が、ホエイです。水分を保つヨーグルトに対し、カマンベールでは水分を減らし、乳の成分を集めていきます。
カマンベールの水分は100g当たり51.8g。それでも生地がやわらかくなるのは、このあとに熟成の工程があるためです。表面に育てた白カビの酵素が働き、外側から中心に向かって熟成が進むにつれて、生地もやわらかくなります。たんぱく質や脂質の分解は、味や香りにも関わっています。
作り方の違いを、成分表で見ると
牛乳とヨーグルトは、水分だけでなく、たんぱく質やカルシウムの量も近い値です。カマンベールは水分が少なく、同じ重さに含まれるたんぱく質や脂質、カルシウムが多くなっています。
| 成分 | 普通牛乳 | ヨーグルト 全脂無糖 | カマンベール |
|---|---|---|---|
| 水分 | 87.4g | 87.7g | 51.8g |
| たんぱく質 | 3.3g | 3.6g | 19.1g |
| 脂質 | 3.8g | 3.0g | 24.7g |
| 乳糖 | 4.4g | 2.9g | 0g |
| カルシウム | 110mg | 120mg | 460mg |
| 食塩相当量 | 0.1g | 0.1g | 2.0g |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
ただ、水分が抜けると、すべての成分が同じ割合で濃くなるわけではありません。ホエイとともに出ていく成分もあれば、チーズ作りの途中で加える塩もあります。表の差には、発酵だけでなく、こうした製造工程や原料の違いも表れています。
水分を抱え込んで固まるヨーグルト、水分を絞り出し熟成でやわらかくするカマンベール。食感や濃さの違いは、微生物の力と製造の工夫が織りなす「おいしさの背景」そのものです。
食品成分表には、こうした製法の違いがしっかり数字として刻まれています。ぜひ身近にあるさまざまな乳製品の成分を見比べて、それぞれの個性を探してみてください。
※参考資料
以下の資料をもとにNutriMapが構成・執筆し、比較表を作成しました。