スーパーの店先に露地物のメロン 露地メロン 緑肉種 生が並ぶ7月中旬は、まさに食べどきの季節が到来している。メロンの旬は5〜8月ごろとされ、今はその盛りにあたる時期だ。茨城・熊本・北海道といった産地から出荷が進み、追熟を経た甘い香りが漂ってくる頃でもある。
ところで、このメロンを切り分けるとき、種のまわりのワタの部分を惜しげもなく捨てていないだろうか。実はこのワタこそ、栄養の面で見逃せない部分だとされる。種を取り除いたワタには、β-カロテンやビタミンC、食物繊維が豊富に含まれるとされる。果肉のとろける甘さに気を取られて、つい皮際とともに捨ててしまいがちな部分に、実は栄養が詰まっているとされるわけだ。もったいない話である。
食べ方は難しくない。種だけを取り除いたワタを、ヨーグルトに混ぜて食べるのが今どきのシンプルな楽しみ方だ。果肉の優しい甘みとワタのとろみが混ざり合い、ヨーグルトの酸味とも相性がよい。今まで生ゴミとして捨てていた部分が、そのままひと品になるのだから、食べ尽くす楽しさもひとしおだ。
果肉そのものも軽やかな一皿
メロンは可食部100gあたりわずか45kcalと軽い。たんぱく質は可食部100gあたり1gで、女性30〜49歳の推奨量50g/日に対しては2%ほど。メロンは主菜というよりデザートや軽い間食の立ち位置だから、この数値はごく自然なものと捉えるとよい。食物繊維も可食部100gあたり0.5gである。
ただし、露地メロンは皮と種で廃棄率45%というデータも示すとおり、そもそも捨てる部分が少なくない食材でもある。加えてワタまで除いてしまえば、可食の部分をさらに手放すことになる。だからこそ、ワタまで活かす食べ方には意味がある。ワタの部分を除いて食べていた人は、次にメロンを買ったときはぜひ種だけを取り分けて、ヨーグルトに混ぜてみてほしい。
品種と産地の彩り
露地メロンにはアムス、アンデス、プリンス、夕張メロンなど様々な品種がある。網目模様が特徴の温室メロンはマスクメロンが代表格だが、露地メロンには果肉が赤い夕張やクインシー、緑のアンデスやアムスなど、ねっとりとした甘みを持つ品種が揃う。産地別の出荷量では茨城県が最も多く、熊本県、北海道と続き、山形県も上位に入るとされる。産地ごとの品種の違いを食べ比べてみるのも、この時期ならではの楽しみだ。
なお、皮もマリネなどに利用できるとされ、余さず使い切る発想はメロン全体に広げられる。薬膳・東洋医学ではメロンは「寒」の性質を持つ食材に分類され、熱やほてりを取り除き、夏の疲れやイライラによいとされる考え方もあるようだ。暑さで火照った体に、冷やして食べるメロンがしっくりくるのも頷ける話だろう。
果肉の甘さだけを楽しんで終わっていたメロンに、ワタというもうひとつの顔があったと知ると、次に手に取るときの向き合い方が変わってくる。今シーズンは、種を取り分けてヨーグルトに混ぜるひと手間を添え、ワタまで食べ尽くすメロンの楽しみ方を試してみてはどうだろうか。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。
栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準