この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Vitalitas Medis : Jurnal Kesehatan Dan Kedokteran
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
2型糖尿病は、インスリンの分泌や働きがうまくいかなくなることで血糖値が高い状態が続く、長く付き合う必要のある代謝の病気です。著者らは、この病気の管理には薬だけでなく食事の整え方も土台のひとつになると述べ、食べる量・種類・時間を適切に保つことが血糖の安定につながると説明しています。ただし論文は、推奨される食事のとり方が実際にはいつも一貫して実践されているわけではないと指摘しています。
そこで研究チームは、食事療法をどの程度守れているかを標準化された質問票で評価し、それが血糖値とどう関係しているかを調べることを目的としました。対象としたのは、インドネシア・スマラン県のプリマデンタ診療所に定期通院している2型糖尿病の患者です。
調べ方
研究は2026年6月から7月にかけて行われ、定期的な通院をしている2型糖尿病患者のうち、18歳より上で意思疎通ができ、参加に同意した人を全員対象とする方法で、67人が分析に含まれました。男性33人(49.3%)、女性34人(50.7%)で、18〜59歳の成人が35人(52.2%)、60歳以上が32人(47.8%)でした。
食事療法の遵守度は、PDAQという9項目の質問票で測定されました。これは直近7日間の食事のとり方を振り返って答えるもので、著者らはこれを「高い・中程度・低い」の3段階に分類しています。血糖値については、食事の時間に関係なく測る随時血糖(GDS)と、一定時間の絶食後に測る空腹時血糖(GDP)の2種類を、標準的な簡易血糖測定器で調べました。そして、遵守度の段階と血糖値が正常か正常でないかの分類との関係を、統計的な検定で確かめています。
報告された主な結果
遵守度としてもっとも多かったのは中程度で、67人のうち37人(55.2%)でした。高い人が24人(35.8%)、低い人が6人(9%)でした。著者らはこの結果を、食事の推奨がある程度は実践され始めているものの、まだ安定して続いてはいない状態を示すものと解釈しています。
血糖値については、多くの人が正常とされる範囲に入っていませんでした。随時血糖では56.7%、空腹時血糖では64.2%が正常でないと判定されました。
遵守度と血糖値の関係では、2つの検査で異なる結果が報告されました。随時血糖との間には統計的に意味のある関係は認められませんでした(p=0.061)。一方、空腹時血糖との間には意味のある関係が認められ(p=0.000)、関連の向きと強さを表すガンマ係数は0.778でした。著者らはこれを、同じ方向に向かう強い関連だと述べています。
この違いについて論文は、2つの検査がとらえている状態が生理的に異なる点を挙げています。随時血糖は測定の時刻、直前に食べたもの、運動、服薬などによって変動しやすいのに対し、空腹時血糖は絶食した後の状態を映します。また、PDAQが直近7日間の行動を尋ねるのに対し、随時血糖は1回の測定時点だけをとらえるため、測っている期間がかみ合っていない可能性も説明として挙げられています。
この研究が示すこと
著者らは結論として、食事療法の遵守度は空腹時血糖と意味のある強い関連を示し、食事の実践がよりよいことは基礎的な血糖コントロールがより整っていることと同じ方向に向かうと述べています。一方で随時血糖との関連は認められませんでした。なお、この研究は関連を調べたもので、血糖の状態は食事だけでなく運動、薬物療法、栄養状態、罹病期間などとも関わり得ると論文は述べています。
そのうえで著者らは、患者が食事のとり方を一貫して続けられるよう、継続的な教育と寄り添った支援が重要だと指摘しています。看護職の役割は食事の情報を伝えることにとどまらず、定期的な見守りや動機づけを通じて行動の変化を支えることにもあると論じられています。
著者:Vivi Nurtama(Universitas Islam Sultan Agung)、Indah Sri Wahyuningsih(Universitas Islam Sultan Agung)、Erna Melastuti(Universitas Islam Sultan Agung)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Vivi Nurtama, Indah Sri Wahyuningsih, Erna Melastuti Hubungan Kepatuhan Diet Diabetes dengan Kadar Glukosa Darah pada Pasien Diabetes Mellitus Tipe 2. Vitalitas Medis : Jurnal Kesehatan Dan Kedokteran 2026-09-30. DOI: 10.62383/vimed.v3i4.3474. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。