著者の所属・活動拠点の国は、シエラレオネです。

掲載誌:Asian Food Science Journal

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

2型糖尿病は世界的に増えている病気で、特に低・中所得国で大きな健康上の負担になっています。糖尿病の管理では食事療法が重要な柱とされ、現在の指針では、ナッツや種子類のように栄養が豊富な食品を取り入れた、一人ひとりに合った食事のとり方が支持されています。

研究チームは、こうした考え方を背景に、地元で調理したカボチャの種の粉を使った食事が、2型糖尿病のある妊娠・出産可能な年齢の女性の血糖値にどのような変化をもたらすかを調べました。なお、この紹介は論文の抄録に基づいています。

どのように調べたか

研究は、シエラレオネのフリータウン半島にある五つの地域社会で行われ、2型糖尿病のある21〜49歳の女性120人が参加しました。介入の前後を比べ、比較のための対照群も設けた形の研究です。

参加者のうち100人には、1食あたり30グラムのカボチャの種の粉を含む食事が1日2回(1日60グラム)、50日間提供されました。残りの20人には、同じ食事からカボチャの種の粉を除いたものが提供されました。

血糖値は、指先などから採る少量の血液(毛細血管血)で測定されました。測ったのは、食事をとらない状態での空腹時血糖値と、食事の時間に関係なく測る随時血糖値の二つで、開始時と、その後10日ごとに記録されました。著者らは、時間の経過に伴う変化を二つのグループで比べるため、参加者ごとの違いや調査地域を考慮した統計手法を用いて分析しました。

主な結果

論文によると、カボチャの種の粉を含む食事をとったグループでは、空腹時血糖値の平均が1リットルあたり8.913ミリモルから8.708ミリモルへと、平均で0.205ミリモル下がりました。比較のグループでは8.450ミリモルから8.420ミリモルへと、0.030ミリモルの低下でした。調査地域などを考慮して調整したうえで50日目の変化の差を比べると、カボチャの種のグループのほうが0.175ミリモル大きく下がっており、この差は統計的に有意だったと報告されています。

随時血糖値についても同様の傾向が報告されました。カボチャの種のグループでは平均8.913ミリモルから8.709ミリモルへ(0.204ミリモルの低下)、比較のグループでは8.450ミリモルから8.415ミリモルへ(0.035ミリモルの低下)となり、調整後の変化の差は0.169ミリモルで、こちらも統計的に有意とされています。

また、カボチャの種のグループでの血糖値の低下は開始10日目から見られ、50日目まで維持されていたとされています。

この研究が示すこと

著者らは、カボチャの種の粉を一定量含む食事が、比較用の食事に比べて、空腹時血糖値と随時血糖値の小幅ながら統計的に有意な改善と関連していたと報告しています。

ただし著者らは、この結果は追加の対照試験を行うことを支持するものにとどまるとしています。また、カボチャの種の粉が処方された糖尿病治療の代わりになる証拠と解釈すべきではないとも明記しています。この研究は、地元で調理した食事による介入と血糖値の変化との関連を示した報告と位置づけられます。

著者:Finda M. M. Barrie(Milton Margai Technical University, Freetown, Sierra Leone and Njala University, Bo, Sierra Leone)、Alhaji Ibrahim Sankoh(Milton Margai Technical University, Freetown, Sierra Leone)、Marion Malia Jigba(Njala University, Bo, Sierra Leone and Ernest Bai Koroma University of Science and Technology, Makeni, Sierra Leone)、Abigail Nyamawa(Njala University, Bo, Sierra Leone)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Finda M. M. Barrie, Alhaji Ibrahim Sankoh, Marion Malia Jigba, et al. Effect of Pumpkin Seed-based Dietary Intervention on Glycaemic Control among Reproductive-aged Women with Type 2 Diabetes in Sierra Leone. Asian Food Science Journal 2026-10-15. DOI: 10.9734/afsj/2026/v25i10928. 原著ライセンス:CC BY.