体重を減らすための食事療法では、タンパク質を多く摂る戦略が体組成の改善に役立つ可能性が指摘されてきました。しかし、こうした高タンパク質戦略が長期的にどのように継続され、体組成とどう関連するのかについて、特に過体重の女性を対象にした知見はこれまで限られていました。今回、ACOORHという多施設共同のランダム化比較試験のデータを使った二次解析の結果が、学術誌ニュートリエンツに2026年08月に掲載予定です。

どのような研究か

この研究は、ACOORH試験に参加した女性のうち、開始時・12週目・52週目の食事記録がすべてそろっている64名を対象とした二次解析です。参加者は、標準化された生活習慣改善プログラムのみを受けるグループと、同じプログラムに加えて最初の26週間、大豆・ヨーグルト・はちみつをベースにした高タンパク質の置換食を摂取するグループに分かれました。食事摂取量、体組成、身体活動量、筋力が長期間にわたって評価され、グループ間の比較や反復測定分散共分析、探索的な相関分析が行われました。

研究でわかったこと

両グループとも、最初の12週間で1日あたりのエネルギー摂取量が有意に減少しました。しかし、体重あたりのタンパク質摂取量が増加したのは介入群のみで、その増加量は1日あたり体重1kgにつき0.22±0.29gとなり、グループ間で有意な差が見られました(p=0.004)。この高いタンパク質摂取量は、26週目に置換食の摂取をやめた後も、52週間の試験期間を通じて維持されていました(p<0.001)。

反復測定分散共分析では、介入群のほうがBMI(p=0.04)と体脂肪量(p=0.03)の改善がより大きいことが示されました。また52週目の時点で、タンパク質摂取量が多いほどBMIが低い(r=−0.253、p=0.04)、体脂肪量が少ない(r=−0.321、p=0.01)、筋力が高い(r=0.292、p=0.02)という関連が認められた一方、身体活動量との関連は見られませんでした。

この研究の位置づけ・読むうえでの注意

この研究は過体重の女性64名を対象とした一つの二次解析であり、これだけで高タンパク質置換食の効果が確定したわけではありません。相関分析の結果は、タンパク質摂取量と体組成の関連を示すものであり、因果関係を証明するものではない点にも注意が必要です。著者らは、タンパク質を多く含む食事介入の性差に特化して検証する、より大規模な前向き研究が今後必要だとしています。

まとめ

今回の解析では、過体重の女性が構造化された生活習慣改善プログラムに加えて大豆ベースの高タンパク質置換食を一時的に摂取したところ、置換食の摂取をやめた後もタンパク質摂取量の増加が長期間維持され、より良好なBMIや体脂肪量の変化と関連していたことが報告されています。減量期に高めのタンパク質摂取を維持することが、体組成の改善に寄与しうるという考え方を支持する結果とされていますが、今後さらなる研究による検証が期待されます。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:過体重女性における大豆ベース高タンパク質サプリメント摂取が体組成と食行動に及ぼす影響:ACOORH試験の二次解析(ニュートリエンツ・2026年08月)