著者の所属・活動拠点の国は、トルコです。

掲載誌:Nutrients

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

超加工食品とは、工場での複数の加工工程を経て、主に工業用の原料からつくられる食品を指します。こうした食品は子どもの食生活でも増えていますが、トルコで「子ども向け」として販売されている商品の実態はあまり分かっていませんでした。

研究チームは、トルコの小売市場で生後6か月以上の子ども向けに販売されている食品・飲料のうち、超加工食品がどれくらいを占めるのか、その割合が都市によって異なるのか、さらに同じエネルギー量あたりで比べたとき超加工食品とそれ以外の食品で価格に差があるのかを調べました。著者らは、乳幼児向け食品の価格と中身の関係がトルコでは超加工食品に注目して検討されてこなかったと説明しています。

どのように調べたか

著者らは、トルコ統計局の所得統計をもとに地域を所得水準で5段階に分け、各段階から1都市ずつ(アンカラ、サムスン、マニサ、カスタモヌ、コジャエリ)を選び、人口が多く独自の小売市場をもつイスタンブールを加えた6都市を対象にしました。2026年2月から4月にかけて、トルコ科学技術研究会議が運営する大手スーパーチェーンの価格データベースをオンラインで使い、各都市の行政中心から半径10km以内で販売されている商品を「ベビー」「子ども」「ピューレ」「離乳食(補完食)」などの検索語で探しました。店頭での実際の陳列は別途確認していません。母乳の代わりとなる乳児用粉ミルクは、母乳が難しい場合に必要となることがあり、性質上ほぼ超加工食品に分類されるため、対象から除いています。

こうして集めた340商品を、加工の程度で食品を4つに分ける「NOVA分類」に当てはめ、最も加工度が高い4群を超加工食品、それ以外の1〜3群を非超加工食品としました。香料、乳化剤、加工でんぷん、甘味料などの原材料は超加工の目印とされます。価格については、エネルギー量の情報がある329商品について、100キロカロリーあたりの値段をトルコリラで算出し、両者を比べました。

主な結果

340商品のうち66.8%が超加工食品に分類されました。割合は商品の種類によって大きく異なり、幼児向けの成長期用ミルク、デザート・プリン、蜂蜜やバーなどを含む「その他」はすべて超加工食品で、ビスケット・ウエハース・チップスもほぼすべて(98.4%)が該当しました。一方、果物・野菜のピューレは80%が超加工食品ではなく、スープとヨーグルトはすべて非超加工食品でした。シリアル・おかゆなど穀物系の食品は58.8%が超加工食品と、中間的な結果でした。超加工食品に見られた目印としては、添加糖が最も多く(57.7%)、乳化剤(56.4%)、香料(48.5%)が続きました。

都市別の超加工食品の割合は53.3%から83.7%まで幅があり、全体として統計的に意味のある差がありましたが、個別に比べて差が確認されたのは2都市の間だけでした。著者らは、この差に所得水準に沿った一定の傾向は見られず、小売の構造や地域の品ぞろえといった食環境の違いを反映している可能性があると考察しています。

価格では、100キロカロリーあたりの中央値が超加工食品で21.45リラ、非超加工食品で67.47リラと、超加工食品のほうが安い結果でした。都市の違いを考慮しても、非超加工食品は超加工食品の約2.87倍の値段でした。ただし、商品の種類(ミルク、ビスケット、ピューレなど)の違いも考慮すると、この差は統計的に意味のあるものではなくなりました。

研究が示すこと

この研究は、トルコで子ども向けに売られている食品の多くが超加工食品であり、その割合が商品の種類や都市によって異なることを示しました。また、超加工食品がエネルギーあたり安く見える点については、加工度そのものというより、どのような種類の商品が各グループに含まれているかの違いによるものと著者らは解釈しています。

なお著者らは、成長期用ミルクがすべて超加工食品に分類されたことについて、これは工業的な加工の程度を示すものであり、栄養面で劣ることを意味するわけではないと注意を促しています。加工度と栄養の中身は関連しつつも別の観点として捉える必要がある、というのも本研究から伝わる大切な点です。

原著論文の著者・所属:Gonca Yildirim(Faculty of Health Sciences, Nutrition and Dietetics, Toros University, Mersin 33140, Türkiye)、Esra Tansu Sariyer(Hamidiye Faculty of Health Sciences, Nutrition and Dietetics, University of Health Sciences Türkiye, Istanbul 34668, Türkiye)、Ekin Çevik(Faculty of Health Sciences, Nutrition and Dietetics, Üsküdar University, Istanbul 34768, Türkiye; Institute of Health Sciences, Nutrition and Dietetics, Erciyes University, Kayseri 38039, Türkiye)、Betül Çiçek(Faculty of Health Sciences, Nutrition and Dietetics, Erciyes University, Kayseri 38260, Türkiye)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Gonca Yildirim, Esra Tansu Sariyer, Ekin Çevik, et al. Prevalence, Regional Variation, and Energy Cost of Ultra-Processed Foods Marketed to Children in Türkiye. Nutrients 2026-10-20. DOI: 10.3390/nu18203444. 原著ライセンス:CC BY.