この研究は、アメリカの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Current Developments in Nutrition

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

超加工食品とは、工業的な加工を多く経て作られた食品のことです。手軽さやおいしさ、積極的な宣伝を背景に、米国をはじめ世界中で消費が大きく増えています。これまでの研究では、超加工食品の摂取が心臓や代謝に関わる好ましくない健康状態と関連することが報告されてきました。しかし死亡との関係を調べた研究はまだ限られており、特に人種や地域が多様な米国の集団での証拠は不足していると著者らは指摘しています。

そこで研究チームは、米国の地域住民を長期間追跡してきた研究「ARIC研究」のデータを用いて、超加工食品の摂取量と、原因を問わないあらゆる死亡(全死亡)のリスクとの関連を調べました。

何を調べたか

対象は、1987〜1989年の調査開始時点で参加していた1万1185人です。平均年齢は54歳で、55%が女性、24%が黒人でした。食事内容は、66項目の食品について食べる頻度を尋ねる、妥当性が確認された質問票で把握しました。

食品は、加工の程度によって分類する「Nova分類」という仕組みで振り分けられました。超加工食品の摂取量は1日あたりの食事単位(サービング)数で表されました。参加者を摂取量の多さで4つの群に分けて比べる方法と、摂取量を連続した数値として扱う方法の両方で分析しています。死亡の有無は2022年12月31日まで確認されました。分析では、ほかの要因の影響を考慮できる統計手法を用いて、超加工食品全体の摂取量と、超加工食品を9つの種類に分けた各グループの摂取量について、死亡リスクとの関連を評価しました。

主な結果

追跡期間の中央値は30年に及び、その間に6656人が亡くなりました。超加工食品全体で見ると、摂取量が最も多い群と最も少ない群の間で、全死亡リスクに統計的に意味のある差は見られませんでした(死亡リスクの比は0.99)。

一方、種類別に見ると異なる傾向が報告されています。超加工食品のうち加工肉類と蒸留酒については、摂取量が最も多い群は最も少ない群に比べて、全死亡リスクがそれぞれ11%、12%高いという関連が見られました。これに対し、超加工食品に分類されるシリアル類では、摂取量が最も多い群で死亡リスクが13%低いという関連が見られました。なお、これらは観察研究で得られた関連であり、食品が死亡リスクを直接上げたり下げたりすることを示したものではありません。

研究が示す意味

この大規模な米国成人の長期追跡研究では、超加工食品の摂取量全体と全死亡との間に関連は見られませんでしたが、超加工食品の種類によって関連の向きや有無が異なっていました。著者らは、超加工食品をひとまとめの同じものとして扱うのではなく、種類ごとの違いに目を向けて検討する必要があると結論づけています。

著者:Wanjin Guan(Department of Epidemiology, Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health, Baltimore, Maryland)、Jiaqi Yang(Department of Epidemiology, Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health, Baltimore, Maryland)、Shutong Du(Department of Epidemiology, Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health, Baltimore, Maryland)、Valerie K. Sullivan(Department of Epidemiology, Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health, Baltimore, Maryland)、Casey M. Rebholz(Department of Epidemiology, Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health, Baltimore, Maryland)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Wanjin Guan, Jiaqi Yang, Shutong Du, et al. Ultra-processed food consumption and risk of all-cause mortality in the Atherosclerosis Risk in Communities Study (ARIC). Current Developments in Nutrition 2026-10-01. DOI: 10.1016/j.cdnut.2026.109554. 原著ライセンス:CC BY.