著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Multidisiplin Sosial dan Humaniora.

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、インドネシアのアジバラン地区チベルン村で、ココナッツの搾りかすを伝統的な発酵食品「テンペ・ダゲス」に加工する仕事を調べました。搾りかすがどのように利用され、販売できる食品となって住民の収入につながっているのかを明らかにし、イスラム経済の考え方からその意味を検討することが目的です。

村では以前からこの加工が行われていましたが、生産設備や資金、販路に制約があり、製品の販売価値を十分に高められていないことが背景にありました。

何を、どのように調べたか

著者らは、村でココナッツの搾りかすの利用・加工に携わる事業者や住民への聞き取り、現場の観察、記録資料の収集を通じて、仕事の実態を記述する質的研究を行いました。原料の調達先、食品に加工する工程、生産や販売の状況を調べています。

さらに、得られた情報を、社会や人々に利益をもたらすこと、資源を無駄なく使うこと、環境への責任といったイスラム経済の原則に照らして考察しました。

主な報告結果

研究チームは、乾燥させたココナッツの果肉であるコプラから油を取り出した後の搾りかすが、テンペ・ダゲスの主原料になっていると報告しました。聞き取り先では、原料を水に浸して圧搾し、ふるいにかけて異物を除き、約1時間蒸していました。その後、発酵用の種菌を加えて板の上で成形し、暖かい場所で2晩発酵させてから販売していました。

聞き取りでは、1回に約20キログラムの搾りかすを加工すると説明されています。また、1回の生産に必要な資金は12万ルピア、製品の販売価格は3切れで1,000ルピアと報告されています。製品はアジバランの市場で販売されており、著者らは、副産物を売れる食品に変えることが加工者の収入につながっていると述べています。

一方、生産は伝統的な方法に依存し、工程を統一する標準作業手順や品質の標準化が十分ではありませんでした。著者らは、商品開発や販売方法にも制約があり、事業の発展を妨げていると報告しています。

この報告が示すこと

著者らは、この取り組みを、経済活動と資源の有効利用を結び付けるものと位置付けています。イスラム経済の観点では、人々の利益に役立ち、資源を効率よく使い、環境に配慮するという原則に沿うと解釈しました。

ただし、調査は加工・販売の実態を記述したもので、収入がどれだけ増えたかを比較して示すものではありません。著者らは、現在の品質や販売面の課題を踏まえ、経済的価値を高めるには、継続的な商品開発と販売戦略が必要だと結論付けています。

原著論文の著者・所属:Setyani Yuwita Rahman(UIN Prof.K.H Saifuddin Zuhri)、Zahra Aisha Wedina、Naerul Edwin Kiky Aprianto

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Setyani Yuwita Rahman, Zahra Aisha Wedina, Naerul Edwin Kiky Aprianto STRATEGI PENGELOLAAN LIMBAH KELAPA UNTUK MENINGKATKAN PENDAPATAN MASYARAKAT DESA CIBERUNG PERSPEKTIF EKONOMI SYARIAH. Jurnal Multidisiplin Sosial dan Humaniora. 2026-10-19. DOI: 10.70585/jmsh.v3i2.230. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。