著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Locus Penelitian dan Pengabdian

ライセンス: CC BY-SA 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の目的:売れ残りを防ぐための商品推薦

有機野菜は保存期間が長くなると鮮度が落ちるため、流通業者にとって在庫を長く抱えることは避けたい問題です。研究チームが対象としたのは、インドネシアのチアンジュール県チパナス郡にある有機野菜の流通会社です。著者らによると、この会社では過去3年間に取引が減っており、商品が倉庫に長く置かれる恐れがありました。

そこで研究チームは、過去の取引データを分析し、顧客が最初に選んだ商品に合わせて、一緒に買われやすい商品を組み合わせて勧める仕組みを作ることを目指しました。その準備として、「一緒に買われる商品のルール」を見つける代表的な3つの手法、Apriori、FP-Growth、Eclatを比べ、この会社のデータに最も適した手法を選ぶことも目的としました。

何をどのように調べたか

分析には、2020年6月から2022年11月までに記録された12万642件のデータを使いました。作業は、データ分析の標準的な手順の枠組みであるCRISP-DMに沿って進められました。CRISP-DMは、業務上の課題の理解から、データの準備、分析、評価までの流れを段階的に整理する方法です。

論文によると、データの準備では、取引を識別する番号と、商品のコードと名前だけを残しました。数量、販売価格、合計金額は取り除きました。今回の手法は購入量や金額を扱わず、ある取引にその商品が含まれていたかどうかだけを見るためです。そのうえで、取引ごとに商品をまとめ直し、組み合わせを探せる形に整えました。

見つかったルールの良さは、三つの指標で評価されました。「サポート」は、ある商品の組み合わせが全取引の中でどのくらいの割合で現れるかを示します。「コンフィデンス(確信度)」は、ある商品を買った取引のうち、別の商品も一緒に買われた割合です。「リフト」は、二つの商品がたまたま同時に買われる場合と比べて、実際にどれだけ一緒に買われやすいかを表します。リフトが1を上回るほど、結びつきが強いとみなされます。

主な結果:Aprioriが最もバランスのよい手法

著者らは、ルールとして採用する最低限のサポートを20%に設定した段階では、基準を満たすルールが見つからなかったと報告しています。基準を9%に下げると、AprioriとFP-Growthはそれぞれ20個のルールを見つけました。どちらも、コンフィデンスの最高値は0.94、リフトの最高値は5.33でした。Eclatが見つけたルールは14個で、コンフィデンスの最高値は0.80、リフトの最高値は4.55でした。

処理時間にも差がありました。Aprioriが最も速く0.25秒で、Eclatが最も遅く40.13秒でした。研究チームは、得られるルールの質と処理の速さの両方を考え、Aprioriが最もバランスのよい手法だと判断しました。そして、商品推薦システムに使う手法としてAprioriを選びました。

さらに著者らは、推薦システムの試作版を作りました。社内のさまざまな役割を担う5人の代表者が参加する話し合い(フォーカス・グループ・ディスカッション)で評価したところ、参加者全員がシステムを理解し、会社の必要に「合っている」または「とても合っている」と答えました。改善点としては、商品を絞り込む機能の追加や、会社が使っている既存の流通アプリと連携させ、よりリアルタイムに使えるようにすることが挙げられました。

この研究が示すこと

この研究は、有機野菜の流通会社がすでに持っている取引記録から、一緒に買われやすい商品の組み合わせを取り出せることを示しました。また、同じデータに複数の手法を当てはめて比べることで、ルールの質と処理の速さの両方から、自社に合った手法を選べることも示しています。日々の取引データを、商品の勧め方を考える材料として活用する一つの具体例といえます。

原著論文の著者・所属:Abdul Hafizh(Universitas Budi Luhur)、Fahri Muhamad Kasypurohman(Universitas Budi Luhur)、Imelda Imelda(Universitas Budi Luhur)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Abdul Hafizh, Fahri Muhamad Kasypurohman, Imelda Imelda Optimalisasi Penjualan Produk Sayuran Organik dengan Pendekatan Analisis Asosiasi. Jurnal Locus Penelitian dan Pengabdian 2026-10-14. DOI: 10.58344/locus.v5i10.6366. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。