半夏生の頃、青果店の店先にスイートコーンが並ぶ。ゆでたての一本にかぶりつくと、口いっぱいに広がる甘さにどこか「これはおやつの延長では」という後ろめたさを覚える人もいるかもしれない。だが、この甘みの正体を数字で追っていくと、体が日々必要としている糖の量との関係が見えてくる。
脳が毎日必要とする糖の量
脳は体重のわずか2%ほどの重さしかないが、体全体の基礎代謝量の約20%を消費するとされる。エネルギー量に換算すると1日およそ300kcal、これはぶどう糖に置き換えるとおよそ75gに相当するという。脳や神経、赤血球などの組織は、通常はぶどう糖しかエネルギー源として使えないとされ、日々どこかから補給し続けなければならない計算になる。
とうもろこしの甘みには複数の糖が関わっている。とうもろこしには可食部100gあたりしょ糖が3.3g、ぶどう糖が2.4g含まれ、糖の中ではしょ糖が最も多い。エネルギーは可食部100gあたり89kcal、炭水化物16.8g、食物繊維総量3g。食物繊維の目標量(成人30〜49歳)は男性22g以上・女性18g以上だ。一本およそ300gとすると、廃棄率50%を踏まえて実際に食べられる部分はおよそ150g。この可食部量で単純計算すると、1本からとれるぶどう糖はおよそ3.6g前後という勘定になる。1日に必要とされる75gからすればごく一部にすぎない量だ。
毎日の食事への取り入れ方
とうもろこしは鮮度が落ちやすいため、買ったらすぐの調理か冷凍がすすめられる。ゆでとうもろこしを一本そのまま主食代わりにしたり、粒を外してサラダやスープに加えたりするのがおすすめだ。肉や魚、卵などたんぱく質を含む一品と組み合わせれば、食後の満足感も得やすい。
まとめ
半夏生に「甘いものは控えたほうがいいのでは」ととうもろこしを敬遠する必要はなさそうだ。脳が1日およそ75gのぶどう糖を必要とするという事実の前では、廃棄率を踏まえた可食部でとうもろこしから得られる3.6g前後のぶどう糖はごく一部にすぎないが、旬の食材として無理なく取り入れられる量だと言えるだろう。廃棄率を踏まえて実食量を意識すれば、一本を無駄なく食べきることができる。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。
栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準