著者の所属・活動拠点の国は、ウガンダです。

掲載誌:BMC Nutrition

ライセンス: CC BY-NC-ND 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

スナック菓子や清涼飲料、加工肉といった包装済みの加工食品・超加工食品は、世界的に消費量が増えており、脂質や糖、塩分の摂りすぎを通じて生活習慣病のリスクと関連することが指摘されてきました。ただしアフリカの国々では、実際に店頭で売られている商品がどれほど脂肪や糖、ナトリウムを含んでいるのか、また栄養表示がきちんとされているのかについて、これまで十分なデータがありませんでした。ウガンダの保健省やマケレレ大学、キャンボゴ大学などの研究者らによるこの研究は、こうした空白を埋めるため、同国で市販されている加工食品・超加工食品の栄養プロファイルと表示の実態を調べたものです。

どのように調べたのか

研究チームは、ウガンダ国内の14の保健地域にまたがる17の町・国境地域を対象に、横断的な観察調査を実施しました。多段階の層化抽出法を用いて、452のスーパーマーケットと85の食料品店を選定し、合計3,736点の商品を収集しています。このうち栄養情報が完全に記載されていた1,083点を分析対象としました。訓練を受けた栄養専門家が、NOVA分類(食品の加工度合いによって食品を分類する手法)とKoboToolbox(データ収集用のアプリ)を用いてデータを収集し、100グラムまたは100ミリリットルあたりの値をウガンダ栄養プロファイルモデルの基準値と照らし合わせて評価しました。統計解析は95%の信頼水準で行われ、製品の種類によって基準超過の起こりやすさが異なるかを二項ロジスティック回帰で、警告表示の数に関わる要因を順序ロジスティック回帰で調べています。

わかったこと

分析対象となった1,083点のうち、72.1%が超加工食品に分類され、加工食品よりも多数を占めていました。全体で見ると、総脂質の基準値を超えていた商品は38%、飽和脂肪酸は46%、遊離糖は48%、ナトリウムは56%にのぼり、トランス脂肪酸の基準値を超えていたものも8%ありました。製品カテゴリー別では、加工肉の85%、冷凍乳製品デザートの78%、菓子類の75%、加糖飲料の41%で警告表示が必要と判定されています。

加工食品と比較すると、超加工食品は総脂質の基準値超過が2.41倍(aOR=2.41、95%信頼区間1.55〜3.76)、飽和脂肪酸が3.22倍(aOR=3.22、95%信頼区間2.01〜5.17)、遊離糖が4.96倍(aOR=4.96、95%信頼区間3.42〜7.18)、ナトリウムが1.89倍(aOR=1.89、95%信頼区間1.32〜2.73)、それぞれ基準値を超えやすいという関連が示されました。また、複数の警告表示が必要になる可能性も2.78倍(aOR=2.78、95%信頼区間1.95〜3.97)高いという結果でした。さらに、対象商品の25%以上で、適切な栄養表示が欠けていたことも報告されています。

この研究の位置づけと注意点

この調査はウガンダという一つの国における横断的な観察研究であり、特定の時点でスーパーマーケットや食料品店の店頭にあった商品を対象にしたものです。したがって、ここで得られた割合や関連性がそのまま他の国や地域、あるいは異なる時期の市場状況にも当てはまるとは限りません。また、対象は栄養情報が完全に記載されていた商品に限られており、表示が不十分だった残りの商品については同様の分析ができなかった点にも留意する必要があります。研究チームは、超加工食品が主要な栄養素の基準値を超えやすい傾向を踏まえ、国レベルの栄養プロファイルモデルの策定や、食品パッケージ前面への警告表示の義務化、表示規制の実効性の強化、消費者教育、製品の配合見直しなどが今後の課題になりうると述べています。

まとめ

この研究では、ウガンダの店頭に並ぶ包装食品のうち超加工食品が多数を占め、それらが脂質・飽和脂肪酸・遊離糖・ナトリウムの基準値を加工食品よりも超えやすいことが示されました。また、4分の1以上の商品で栄養表示が不十分だったことも明らかになっています。これは一つの国を対象とした一つの研究であり、結論が確定したわけではありませんが、食品表示のあり方を考えるうえで参考になるデータといえます。

原著論文の著者・所属:Samalie Namukose(Ministry of Health, Kampala, Uganda)、Daniel Hendry Ruma(Department of Nutritional Sciences and Dietetics, Kyambogo University, Kampala, Uganda)、Charles Muyanja(Department of Food Technology and Nutrition, Makerere University, Kampala, Uganda)、David Kabanda(Centre for Food and Adequate Living Rights, Kampala, Uganda)、Bodo Bongomin(World Health Organisation, Kampala, Uganda)、Mary Nabisere(United Nations Children’s Fund, Kampala, Uganda)、Gonzaga Kiddu(Centre for Food and Adequate Living Rights, Kampala, Uganda)、Martin Wambona(Centre for Food and Adequate Living Rights, Kampala, Uganda)、Nabunya Phoebe(School of Public Health, Makerere University, Kampala, Uganda)、Zakaria Fusheini(United Nations Children’s Fund, Kampala, Uganda)、Senkumba John Tibesigwa(Department of Family Life and Consumer Studies, Kyambogo University, Kampala, Uganda)

※本記事は原著論文の翻訳ではなく、研究内容を独自に解説したものです。出典(原著論文):Samalie Namukose, Daniel Hendry Ruma, Charles Muyanja, et al. Nutrient profiles and labelling practices of marketed packaged processed and ultra-processed foods in Uganda. ビーエムシー・ニュートリション (2026). DOI: 10.1186/s40795-026-01480-4. 原著ライセンス: cc-by-nc-nd.