著者の所属・活動拠点の国は、アメリカです。

掲載誌:Community Dentistry And Oral Epidemiology

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究のねらい

幼い子どものむし歯には、甘い飲み物や歯みがきの習慣など、日々の生活習慣が関わると考えられています。研究チームは、テレビやスマートフォンなどの画面を見て過ごす時間(スクリーンタイム)にも注目しました。

この研究の目的は、3歳時点のスクリーンタイムが、歯科医師の診察で確認されたむし歯と関連しているかを調べることです。あわせて、ジュースを日常的に飲んでいるかどうかによって、その関連の強さが変わるかも検討しました。

どのように調べたか

研究チームは、2014年から2019年に沖縄県の市町村で記録された子どもの健診記録を使いました。同じ子どもの1歳6か月時点と3歳時点の記録をつなぎ合わせ、過去の記録をさかのぼって分析する方法をとっています。

調べた結果は、3歳時点でむし歯が一本でもあるかどうかです。保護者が回答したスクリーンタイム(1日1時間以下、1〜2時間、2時間超)のほか、ジュースを日常的に飲む習慣、保護者による仕上げみがき、母乳育児についても関連を調べました。

分析では、家庭の状況、睡眠、食事、生活リズム、そして1歳6か月時点のむし歯の有無など、結果に影響しうる要因の影響をできるだけ取り除いたうえで、むし歯になるリスクがどの程度高いか低いかを比べています。記録に欠けている情報がある点については、統計的に補う方法でも確認を行いました。

主な結果

分析対象となった60,404人のうち、3歳時点でむし歯があったのは15,608人(25.8%)でした。1歳6か月時点でむし歯がなかった58,815人に限ると、14,269人(24.3%)が3歳までにむし歯になっていました。

スクリーンタイムが1日2時間を超える子どもは、1時間以下の子どもに比べてむし歯のリスクが約1.08倍と、わずかに高いという結果でした。一方、ジュースを日常的に飲む習慣はより強く関連しており、リスクは約1.32倍でした。保護者による仕上げみがきがある場合は、リスクが約0.66倍と低い関連がみられました。

興味深いのは、スクリーンタイムとむし歯の関連が、ジュースを日常的に飲むかどうかで異なっていた点です。ジュースを日常的に飲まない子どもでは、1時間以下に比べて1〜2時間で約1.07倍、2時間超で約1.13倍とリスクが高くなっていました。これに対し、日常的に飲む子どもではそれぞれ約0.98倍、約1.00倍で、スクリーンタイムによる差はほとんど見られませんでした。また、長いスクリーンタイムとジュース習慣が重なった場合の関連は、それぞれの関連を単純に足し合わせた分より小さいことも報告されています。欠けた情報を補った分析でも、結果はおおむね同じでした。

この研究が示すこと

著者らは、スクリーンタイムが長いことはむし歯とわずかに関連する一方で、日常的なジュースの摂取と仕上げみがきがないことが、より大きく関わる要因だったとまとめています。スクリーンタイムとの関連は、特にジュースを日常的に飲まない子どもで目立ちました。

なお、この研究は記録をもとに関連を調べたもので、スクリーンタイムがむし歯の直接の原因であると示したものではありません。そのうえで著者らは、子どものむし歯予防を考える際には、食事や歯みがきの習慣とあわせて、画面を見て過ごす時間を含む生活習慣にも目を向ける必要があるかもしれないと述べています。

原著論文の著者・所属:Toshifumi Yodoshi(Division of Gastroenterology, Hepatology and Nutrition Cincinnati Children's Hospital Medical Center Cincinnati USA)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Toshifumi Yodoshi. Screen Time, Juice Consumption, Caregiver‐Assisted Toothbrushing and Dental Caries at Age 3 Years: A Population‐Based Cohort Study in Japan. Community Dentistry And Oral Epidemiology 2026-08-27. DOI: 10.1111/cdoe.70112. 原著ライセンス:CC BY.