この研究は、サウジアラビアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Frontiers in Nutrition
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
ジムに通う人の多くは、健康のために必要な食事ガイドラインに従うことよりも、サプリメントの利用や食事制限を優先し、それによって運動のパフォーマンスを高めようとする傾向があると著者らは指摘しています。
そこで研究チームは、サウジアラビアのマッカ(メッカ)市でジムを利用している成人の男女が「サウジ・ヘルシープレート食事ガイドライン(SHPDGs)」をどの程度守っているかを調べ、それが身体活動量、筋持久力、体組成とどう関係しているかを明らかにすることを目的としました。サウジ・ヘルシープレート食事ガイドラインとは、1食分の皿の中で各食品グループをどのような割合でとるとよいかを示した、同国の食生活の指針です。
調べ方
この研究は、ある一時点の状況を調べる「横断研究」という手法で行われました。対象となったのは、マッカ市内のジムを定期的に利用している18歳以上の268人で、内訳は男性129人(48.1%)、女性139人(51.9%)でした。
2024年11月から2025年4月にかけて、電子アンケートを用いて、年齢などの基本情報、食事ガイドラインをどの程度守っているか、身体活動のレベルについての情報が集められました。筋持久力は標準化された腕立て伏せテストで測定し、体組成は体に微弱な電流を流して脂肪や筋肉の量を推定する「生体電気インピーダンス法」(InBody)で測定しています。
報告された主な結果
著者らの報告によると、食事ガイドラインの実践度は、低い人が12.7%、中程度の人が74.3%、高い人が13.1%でした。つまり、大多数が中程度という結果です。
男女を比べると、男性は女性よりも健康的な食事パターンの実践度、身体活動量、筋持久力のいずれも有意に高かったと報告されています(p<0.001)。また、ガイドラインの実践度が高いことは、脂肪量が有意に少ないこと(p=0.007)、筋肉量が多いこと(p<0.001)、体内の総水分量が多いこと(p=0.022)と関連していました。さらに、実践度が高いほど身体活動量が多く(p<0.001)、上半身の筋持久力も高い(p=0.029)という関連がみられています。
なお、ここで示されているのはあくまで「関連」であり、この研究のデザインからは食事ガイドラインの実践がこれらの変化を引き起こしたという因果関係を示すものではありません。
この研究が示すこと
研究チームは結論として、サウジ・ヘルシープレート食事ガイドラインを守ることが、身体活動量、体組成、筋持久力の良好さと結びついていたとまとめています。
そのうえで著者らは、ジム利用者に対してバランスのとれた栄養摂取を促すことが、運動パフォーマンスと全体的な健康を支えるうえで重要だと強調しています。サプリメントや極端な食事制限に目が向きがちな場面で、基本的な食事の指針そのものに立ち返る意義を示した報告といえます。
著者:Asrar Suruji(Department of Clinical Nutrition, Faculty of Applied Medical Sciences, King Abdulaziz University)、Areej Alkhaldy(Department of Clinical Nutrition, Faculty of Applied Medical Sciences, King Abdulaziz University)、Wejdan Alghafari(Department of Clinical Nutrition, Faculty of Applied Medical Sciences, King Abdulaziz University)、Dina Qahwaji(Department of Clinical Nutrition, Faculty of Applied Medical Sciences, King Abdulaziz University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Asrar Suruji, Areej Alkhaldy, Wejdan Alghafari, et al. Association between adherence to Saudi healthy plate dietary guidelines and physical activity, muscular endurance, and body composition among adult gym users. Frontiers in Nutrition 2026-09-16. DOI: 10.3389/fnut.2026.1940147. 原著ライセンス:CC BY.