グミといえば砂糖の甘みが欠かせないお菓子ですが、もし果物そのものの甘さだけで作れたら、砂糖の摂取量を気にする人にとって新しい選択肢になるかもしれません。今回紹介する研究は、中東などで広く食べられているナツメヤシ(デーツ)を使い、砂糖を一切加えずにグミを作るという試みを扱っています。ナツメヤシは栄養価が高いとされる果実で、砂糖の代わりとして菓子作りに活用できる可能性が注目されているといいます。

アジワ種とスカリ・マディナ種を比べる実験

研究チームは、品種の異なる二種類のナツメヤシ「アジワ(Ajwa)」と「スカリ・マディナ(Sukari Madinah)」を使い、それぞれを原料にしたグミを作って比較しました。実験は定量的な手法で行われ、両方の配合はデーツの果肉100グラム、水200ミリリットル、ゼラチン大さじ3杯、レモン水大さじ1杯とまったく同一にし、違いはデーツの品種だけになるよう統制されています。

できあがった二種類のグミは、30人の評価者(パネリスト)による嗜好調査(ヒドニックテスト)にかけられ、色・香り・味・食感という四つの観点で評価されました。得られた評価データは、対応のあるデータを比較する統計手法(paired samples t検定)で分析されています。

香り・味・食感でアジワ種が高評価に

分析の結果、アジワ種のデーツで作ったグミは、スカリ・マディナ種のグミよりも全体的な評価が高くなりました。具体的には、香り・味・食感、そして総合的な受容度の四項目で統計的に意味のある差が見られた(p<0.05)一方、色については両者のあいだに有意な差はなかったと報告されています。つまり、見た目はどちらも似た印象を与えるものの、口にしたときの風味や噛み心地といった体験の部分で、品種による違いがはっきり表れたということになります。

この結果について研究チームは、デーツが低糖質の機能性食品としての可能性を持つことを裏付けるものであり、天然由来の原料を使った健康志向のスナック開発を目指す飲食事業者にとって参考になる知見だとしています。

この研究を読むときに気をつけたいこと

この研究は、特定の二品種・特定の配合条件のもとで行われた一回の実験であり、パネリストも30人という規模にとどまります。そのため、ここで得られた「アジワ種の方が好まれやすい」という結果が、他の配合や作り方、あるいはより多くの評価者を対象にした場合にも同じように当てはまるかどうかは、この論文だけからは分かりません。また、無添加糖グミが健康に良い影響をもたらすかどうかを直接検証したものでもなく、あくまで嗜好評価と食品開発の可能性を探る研究である点にも留意が必要です。一つの研究であり、結論が確定したわけではないという前提で読むのがよいでしょう。

まとめ

今回の研究は、砂糖を使わずにナツメヤシの自然な甘みだけでグミを作るという試みを通じて、原料となるデーツの品種によって味や香り、食感の好まれ方に違いが出ることを示しました。低糖質なお菓子作りへのヒントとして、今後さらに研究が積み重ねられていくことが期待されるテーマだといえます。

※本記事は原著論文の翻訳ではなく、研究内容を独自に解説したものです。参考文献:Ghasha Allahi Salam, Made Prasta Yostitia, Salam Setiyawan. Inovasi Pemanfaatan Kurma sebagai Bahan Dasar Gummy Tanpa Tambahan Gula. タマシャ・ジャーナル・インドネシア観光 (2026). DOI: 10.62383/tamasya.v3i3.1220.