著者の所属・活動拠点の国は、イギリスです。

掲載誌:Nutrition and Health

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

食べることへの注意に着目

研究チームは、むちゃ食いの傾向とBMIの関連が、食事中の注意の向け方によって異なるかを調べました。むちゃ食いとは、短時間に通常より多くの食べ物を食べ、自分では食べることを制御できないと感じる行動です。BMIは、体重と身長から算出する体格の指標です。

今回着目した「マインドフルな食行動」は、食べ物の味や香り、食感などに注意を向け、別の考えや感情が浮かんでも、それを良し悪しで判断せずに食事へ注意を戻すことを指します。研究チームは、こうした行動の程度によって、むちゃ食いとBMIの結び付きが弱まるという仮説を検討しました。

成人146人のオンライン調査で見られた関連

研究チームは、一般からオンラインで募集した成人146人の回答を分析しました。平均年齢は約30歳で、参加者の大半は女性でした。質問票でむちゃ食いの傾向とマインドフルな食行動を測定し、自己申告の身長・体重からBMIを算出しました。一時点での状態を調べる調査であり、食行動を変える介入は行っていません。

著者らは、むちゃ食いの得点が高い人ほどBMIも高い傾向を報告しました。一方、マインドフルな食行動の得点そのものは、BMIとも、むちゃ食いの得点とも、統計的に有意な関連を示しませんでした。

ただし、むちゃ食いとBMIの関連の強さは、マインドフルな食行動の程度によって異なりました。その得点が低い場合と平均的な場合には、むちゃ食いの得点が高いほどBMIも高いという関連が見られましたが、得点が高い場合には、関連は統計的に有意ではありませんでした。研究チームは、食事への注意を保つ行動が多いほど、両者の結び付きが弱いと報告しています。

食行動の組み合わせから見えること

今回の結果は、マインドフルに食べる人ほど、むちゃ食いが少ない、あるいはBMIが低いという単純な関係ではありません。著者らが示したのは、むちゃ食いとBMIの関連を捉える際に、食事中の注意の向け方も関わる可能性です。

自己申告に基づく一時点の調査のため、マインドフルな食行動が体重増加を防ぐと証明したわけではありません。この研究は、むちゃ食いと体格の関係を理解するうえで、食べる量や制御の感覚だけでなく、食べているときの注意にも目を向ける意味を示しています。

原著論文の著者・所属:Cerasela Oana Gavril(Birmingham City University)、Alexandra Iuliana Negoita(Birmingham City University; School of Psychological and Behavioural Sciences, College of Arts and Society, Coventry University, Birmingham, UK)、Kyriaki Giannou(De Montfort University)、Michail Mantzios(Birmingham City University)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Cerasela Oana Gavril, Alexandra Iuliana Negoita, Kyriaki Giannou, et al. Breaking the link: The moderating role of mindful eating behaviour in the relationship between binge eating and body mass index. Nutrition and Health 2026-09-03. DOI: 10.1177/02601060261485043. 原著ライセンス:CC BY.