著者の所属・活動拠点の国は、イランです。

掲載誌:Cogent Food & Agriculture

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

著者らは、家禽と反すう家畜の飲み水の質が、健康や福祉、ミネラル代謝、生産性にどう関わるかを整理しました。水質は家畜の飼育で重要でありながら、十分に重視されないことがあるという背景から、水の成分や微生物汚染について既存の研究知見をまとめた総説です。

何を、どのように調べたか

総説では、水に溶けている物質の総量を表す総溶解固形物(TDS)、酸性・アルカリ性の程度を示すpH、硬度、硫酸塩、硝酸塩・亜硝酸塩、重金属、微生物汚染を取り上げました。これらの影響を、動物の種類や年齢、生理状態、生産段階、飼料、環境条件、曝露期間との関係から整理しています。抄録には、文献の検索方法や選定基準、対象文献数は示されていません。

主な報告結果

著者らによると、水質への反応は動物や飼育条件によって大きく異なります。家禽は一般に、TDSや特定のミネラルが多い水に敏感な傾向がある一方、反すう家畜は適切な条件下では塩分への耐性が比較的高いものの、硫酸塩や硝酸塩による毒性の影響を受ける可能性があります。また、有害となり得る元素は、生理機能の乱れや組織への蓄積、食品安全上の懸念につながり得るとしています。微生物汚染については、水源の水質が許容範囲内でも、給水設備内で微生物が膜状の集まりであるバイオフィルムを形成し、汚染が持続することが報告されています。

この報告が示すこと

著者らは、水質管理には定期的な検査だけでなく、飼育条件に応じた結果の解釈、飲水量の監視、適切な処理、給水設備の維持管理を組み合わせる必要があると結論づけています。ただし、既存の指針には、根拠となる研究のばらつき、動物種や生産段階ごとのデータ不足、複数の汚染物質が混在する場合の検討不足という限界があります。この総説は、家畜の飲み水を、その成分だけでなく動物側の条件や給水設備も含めて評価する重要性を示しています。

※出版社の利用条件により本文を利用できないため、本記事は原著論文の抄録だけで作成しています。

原著論文の著者・所属:Mohsen Kazemi(Department of Animal Science, Faculty of Agriculture and Animal Science, University of Torbat-e Jam)、Abbas Khashei-Siuki(Department of Economic and Water Engineering Sciences, Faculty of Agriculture, University of Torbat Heydariyeh, Torbat Heydariyeh, Iran)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mohsen Kazemi, Abbas Khashei-Siuki. Drinking water quality in poultry and ruminant production: impacts on health, mineral metabolism, and performance efficiency. Cogent Food & Agriculture(出版社:Cogent OA) 2026-10-29. DOI: 10.1080/23311932.2026.2751748. 原著ライセンス:CC BY.