著者の所属・活動拠点の国は、インドです。
掲載誌:Archives of Current Research International
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
捨てられがちな副産物に目を向ける
豆類を製粉すると、割れた粒、粉、外皮(ハスク)、胚芽、さらに「チュニ・ブシ」と呼ばれる複数の部分が混ざったものなど、多くの副産物が出ます。これらは従来、家畜の飼料や農地の肥料として使われてきました。
このレビュー論文で著者らは、こうした豆の製粉副産物を、より価値の高い食品用途に活用できるかどうかについて、これまでの知見を整理しています。ここでは公開されている抄録の内容をもとに紹介します。
副産物に含まれる成分と、その違い
著者らによると、豆の外皮やふすま(外側の部分)には、たんぱく質、食物繊維、ミネラルに加え、フェノール化合物、フラボノイド、タンニンといった、生体に何らかの働きを持つ成分が含まれています。
一方で、こうした成分の構成は、豆の種類、製粉のどの段階で出た部分か、加工の条件によって異なります。そのため著者らは、食品に使う前に、副産物の部分ごとに成分を調べておくことが重要だと指摘しています。
また、製粉の工程から出る流れの中から、豆の中身の主要部分である子葉を多く含む食べられる部分や、その他の有用な部分を回収・分離する技術についても取り上げています。
報告されている食品への利用例
レビューでは、副産物の利用例として、パパドと呼ばれる伝統食品や揚げ菓子のほか、パンや菓子などのベーカリー製品、押出成形(生地を機械で押し出して成形・加熱する加工法)による食品が挙げられています。
豆由来の食物繊維は、精製した小麦粉の一部を置き換えられる可能性があるとされています。ただし、加える量が多すぎると、生地の伸びや粘りといった性質、食感、見た目、味や食べやすさの評価に悪影響が出ることがあると報告されています。
さらに著者らは、発酵などの加工によって、栄養面の性質、栄養の吸収を妨げうる成分、生体に働く成分、食品素材としての機能的な性質を変えられる可能性にも注目しています。
活用に向けて必要なこと
著者らは全体として、豆の製粉副産物は十分に活用されていない資源であり、食品として価値を高める可能性があるとまとめています。
同時にその前提として、適切な回収と品質の安定化、成分の評価、加工、品質管理、安全性の評価を行い、人が安全においしく食べられる部分と配合量を見極める必要があることを強調しています。飼料や肥料にとどまっていた副産物を食品に生かすには、可能性と同時に、こうした慎重な確認が欠かせないことがこのレビューから伝わってきます。
原著論文の著者・所属:Chandan Solanki(ICAR-Central Institute of Post-Harvest Engineering and Technology, Ludhiana, Punjab, India)、Deepika Goswami(ICAR-Central Institute of Post-Harvest Engineering and Technology, Ludhiana, Punjab, India)、D. Mridula(ICAR-Central Institute for Women in Agriculture, Bhubaneswar, Odisha, India)、R. K. Vishwakarma(AICRP on PHET, ICAR-CIPHET, Ludhiana, India)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Chandan Solanki, Deepika Goswami, D. Mridula, et al. Utilization of Pulse Milling By-Products for Food Purposes: A Review. Archives of Current Research International 2026-09-30. DOI: 10.9734/acri/2026/v26i102199. 原著ライセンス:CC BY.