研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
酵母細胞壁と有胞子性乳酸菌を組み合わせると、腸内細菌による酪酸産生が高まった:便を用いた試験管内実験の報告
私たちの腸内細菌は、食物繊維などを分解して「短鎖脂肪酸」と呼ばれる物質を作ります。代表的なものは酢酸、プロピオン酸、酪酸です。論文によると、なかでも酪酸は量としては少ないものの、腸の粘膜のバリア機能や免疫、炎症の調節に関わることがこれまでの研究で示されてきました。そのため、酪酸の産生を高める方法が探…
公開日: 2026年10月18日 16:24
米たんぱく質分解物が高脂肪食ラットの盲腸内N-アセチルアミノ酸を回復させたとする研究
食品のたんぱく質を分解した素材や発酵食品には、「ピログルタミルペプチド」と呼ばれる特殊な形のペプチドが広く含まれています。これは、端にグルタミンをもつペプチドが酵素を使わずに変化してできるもので、消化酵素で分解されにくい性質が報告されています。その一つであるピログルタミルロイシン(pyroGlu-L…
公開日: 2026年10月10日 22:04
麹菌で発酵させた玄米食品は潰瘍性大腸炎の患者に役立つか:二重盲検ランダム化試験の報告
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に広く炎症が起こる病気で、原因はまだ分かっていません。これまでの基礎研究や臨床研究から、食物繊維をとることで症状が和らぐ可能性が示唆されてきました。
公開日: 2026年10月08日 05:23
高齢者の便秘に対する3種の生きた菌を含む口腔内崩壊錠——8週間の単群試験による安全性と前後比較の報告
慢性的な便秘は高齢者によく見られ、排便の習慣だけでなく生活の質や日常生活の動作にも影響しうる問題だと、研究チームは指摘しています。高齢者では便秘が虚弱や複数の持病、多剤併用と重なりやすく、安全で扱いやすく、体に負担の少ない選択肢が日常診療で求められているという問題意識が、この研究の出発点にあります。
公開日: 2026年09月30日 05:01
リシン摂取の効果は腸内の細菌・ファージ・宿主の相互作用で変わりうる — 老化した消化管細胞モデルでの検討
リシンは人の体内で作ることができない必須アミノ酸で、腸でのカルシウムや鉄の吸収、タンパク質の合成、脂肪酸の代謝など、いくつもの細胞の働きに関わっています。研究チームによれば、近年は栄養補助食品やサプリメントといったさまざまな形でリシンを摂る人が増えており、とくに高齢者で目立つとされています。
公開日: 2026年09月29日 06:53
5か国の食事と腸内細菌叢を同じ方法で比べた大規模研究
腸内細菌叢(腸の中にすむ微生物の集まり)は、食事や生活環境の影響を受けて人の代謝や免疫に関わることが知られています。しかし、国や文化による食生活の違いが腸内細菌叢とどう結びつくのかは、はっきりしていませんでした。
公開日: 2026年09月25日 21:44
乳酸菌由来の多糖が免疫細胞の連携を介して細菌を殺す力を高める——培養細胞での報告
ヨーグルトの発酵に使われる乳酸菌の一種、ラクトバチルス・デルブルエッキー・ブルガリクス OLL1073R-1 は、菌体の外に「菌体外多糖(EPS)」と呼ばれる大きな糖の分子を作り出します。研究チームによれば、この株が作るEPSについてはこれまで主にウイルスに対する免疫を高める働きが報告されてきました…
公開日: 2026年09月23日 05:22
コウジカビの多様化を支える巨大な動く遺伝子「Starship」——麹菌の家畜化をめぐる研究の紹介
この研究が扱うのは、「Starship(スターシップ)」と呼ばれる、菌類で近年報告された巨大なトランスポゾン(ゲノムの中を移動できる遺伝子のまとまり)です。Starshipは「カーゴ遺伝子」と呼ばれる積み荷のような遺伝子群を運び、菌類の急速な適応を促すと報告されてきました。
公開日: 2026年09月15日 06:44
メチロトローフ酵母を使ってタンパク質をつくる — 食品素材への応用と合成生物学の最新動向をまとめた総説
著者らは、メタノールを炭素源として利用できる「メチロトローフ酵母」と呼ばれる微生物を、食品素材となるタンパク質の生産に使う技術について、近年の進展をまとめた総説を発表しました。中心に据えられているのは Komagataella phaffii(旧称 Pichia pastoris)という酵母です。
公開日: 2026年09月14日 20:07
食事パターンと腸内細菌のタイプ、組み合わせで見るとフレイルの差が9倍に――京丹後の高齢者研究
高齢期の心身の衰え「フレイル」には、食事の内容と腸内細菌の状態がそれぞれ関わることがこれまでの研究で示されてきました。しかし、この二つを同時に調べ、食事と腸内細菌がどのように絡み合ってフレイルに関係しているのかを検討した研究は、アジアの集団では十分に行われていませんでした。今回、京都府北部の長寿地域…
公開日: 2026年09月06日 04:49
塩に強い酵母ヒフォピキア・ブルトニイが支える伝統発酵食品――ノルウディ、サラミ、白酒に共通する生存戦略
味噌や漬物、パンの発酵にはさまざまな微生物が関わりますが、塩分や乾燥に強い環境で生き延びる酵母は限られています。今回紹介する研究は、Hyphopichia burtonii(ヒフォピキア・ブルトニイ)という酵母に注目し、これがパンの品質を落とす『腐敗酵母』として知られる一方で、世界各地の伝統的な発酵…
公開日: 2026年09月05日 06:24
堆肥由来の好熱菌が子牛の下痢を改善? 腸内細菌ではなく代謝物の変化に注目した研究
下痢は世界で年間130万人以上が命を落とす原因ともされる身近で深刻な健康問題です。家畜の世界でも下痢による消化不良は成長の遅れや死亡率上昇につながり、生産性を大きく左右します。原因が細菌感染とわかる場合もありますが、実際には原因を特定できないケースも多く、対策は簡単ではありません。今回、堆肥から見つ…
公開日: 2026年09月03日 04:56