著者の所属・活動拠点の国は、韓国です。
掲載誌:Environmental Technology & Innovation
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
食材の違いが調理中の微粒子に及ぼす影響を調べる
調理中に生じ、空気中を漂う微粒子「調理エアロゾル」は、室内の粒子状物質の発生源です。研究チームは、食材の組成によって、その性質や細胞への影響がどう変わるかを調べました。
実験では、大豆、牛肉、大豆たんぱく、牛肉たんぱくの各粉末を大豆油と混ぜた4種類の試料を、管理された条件で300℃と400℃に加熱しました。発生したエアロゾルの粒径分布、形状、元素組成、一部の化学成分を測定するとともに、培養したヒト肺上皮由来のA549細胞の応答を調べました。
高温で発生量と粒子の性質が変化
研究チームは、300℃に比べて400℃ではエアロゾルの発生速度が大幅に増加したと報告しています。300℃で回収したエアロゾルは主に液体状でしたが、400℃では炭素質の固体粒子が多く含まれていました。
牛肉関連の混合物では、大豆関連の混合物に比べ、炭素質粒子の相対的な割合や、測定対象とした一部の多環芳香族炭化水素(PAH)の濃度が概して高く、特に400℃でその傾向がみられました。
細胞の応答にも試料による違い
400℃で発生したエアロゾルを液体に分散させて細胞に接触させると、細胞の生存率の低下と、活性酸素や細胞間の情報伝達に関わる物質IL-6の応答の変化が認められました。これらの影響は、概して牛肉関連の試料で強くみられました。
著者らは、細胞の応答を、粒子による物理的な作用と、測定した成分・測定していない成分を含む化学物質の複合的な影響として捉えています。この研究は、管理された高温条件では、食材と大豆油の組み合わせによって、発生するエアロゾルの性質と培養細胞への影響が異なることを示しています。
原著論文の著者・所属:Hyunji Myung(Department of Mechanical Systems Engineering, Sookmyung Women's University, 100, Cheongpa-ro 47-gil, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea)、Soonjong Roh(Department of Mechanical Systems Engineering, Sookmyung Women's University, 100, Cheongpa-ro 47-gil, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea)、Gahee Kim(Department of Mechanical Systems Engineering, Sookmyung Women's University, 100, Cheongpa-ro 47-gil, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea)、Youngri Ryu(Department of Mechanical Systems Engineering, Sookmyung Women's University, 100, Cheongpa-ro 47-gil, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea)、Young Soo Joung(Department of Mechanical Systems Engineering, Sookmyung Women's University, 100, Cheongpa-ro 47-gil, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Hyunji Myung, Soonjong Roh, Gahee Kim, et al. Physicochemical Characteristics and Cellular Responses of Cooking Aerosols Generated from Protein-Rich Food Powder–Soybean Oil Mixtures under Controlled High-Temperature Conditions. Environmental Technology & Innovation 2026-08-30. DOI: 10.1016/j.eti.2026.105194. 原著ライセンス:CC BY.