著者の所属・活動拠点の国は、イタリア、オランダ、アメリカ、韓国、サウジアラビアです。
掲載誌:Electronic Commerce Research
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
どのようなサービスが満足度に結びつくのか
研究チームは、ネットスーパーで顧客の満足度や再購入の意向に関わるサービスの特徴を、過去の研究から整理しました。食品のネット購入には、商品の鮮度や配送時の状態など、一般的なネット通販とは異なる課題があります。一方、満足度に関わる要素については研究ごとに結果が分かれ、全体像がつかみにくい状況にありました。
著者らは、2005~2025年に公表された40研究を対象に、報告された590の関係を分析しました。研究によって異なる用語を意味に基づいて統一し、それぞれの関係が調べられた回数と、統計的に有意な結果が得られた割合を整理しました。この「ウェイト分析」は、効果の大きさそのものではなく、既存研究でどれほど繰り返し支持されているかを見る方法です。
使いやすさ、鮮度、配送状態などに一貫した支持
論文によると、満足度との関係が繰り返し支持されたのは、サイトの便利さ・使いやすさ、情報の質、商品の品質と鮮度、顧客対応の水準、配送時の状態、購入手続き、利用者が感じる総合的な価値、安全性でした。画面上での買いやすさだけでなく、届く食品や注文後の対応までが、満足度に関わる中心的な要素として浮かび上がりました。
商品と価格の提案、商品を受け取る際の便利さや楽しさ、トラブル後の対応についても、肯定的な結果が一貫して報告されていました。ただし、調べた研究数は少なく、著者らは、支持が蓄積している要素とは区別しています。また、配送方法の柔軟さ、配送状況の追跡、オンラインの評価・レビューなどは、支持が限られるか、結果が安定しない要素として整理されました。
基本的なサービスの確かさが土台になる
研究チームは、顧客満足度が再購入意向を予測する最も強い要素だったとも報告しています。ただし、これは再び購入したいという意向についての結果であり、実際の購入行動そのものを示すものではありません。
著者らは、ネットスーパーでは、まず鮮度や配送状態、使いやすさなどの基本的なサービスを確実に提供し、そのうえで利用者や市場の状況に応じた付加的な機能を考えることが重要だと結論づけています。この研究は、多様な機能を一律に重視するのではなく、満足度との関係が繰り返し確かめられてきた要素を見分けるための整理を示しています。
原著論文の著者・所属:Mehrgan Malekpour(Department of Economics and Management, Free University of Bozen-Bolzano, Bozen-Bolzano, Italy)、Hatice Kizgin(Department of High Tech Business and Entrepreneurship, University of Twente, Enschede, The Netherlands)、Fevzi Okumus(College of Hospitality, Retail and Sport Management, University of South Carolina, Columbia, USA; College of Hotel and Tourism Management, Kyung Hee University, Seoul, Republic of Korea; Humanities and Social Sciences Research Center (HSSRC), Deanship of Scientific Research, Imam Mohammad Ibn Saud Islamic University (IMSIU), Riyadh, Kingdom of Saudi Arabia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mehrgan Malekpour, Hatice Kizgin, Fevzi Okumus. Online grocery service attributes and customer satisfaction: a weight analysis approach. Electronic Commerce Research 2026-08-26. DOI: 10.1007/s10660-026-10186-5. 原著ライセンス:CC BY.