著者の所属・活動拠点の国は、インドです。

掲載誌:Genetics and Molecular Research

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

お湯を注ぐだけで食べられる粉末のインスタントスープは、インドの手軽な加工食品の中でも伸びている分野です。しかし著者らによると、インドの消費者がこの商品をどう受け止め、どのブランドを選んでいるのかを調べた実証研究はほとんどありませんでした。これまでの研究の多くは、スナック菓子やインスタント麺などとまとめて扱い、インスタントスープを独立した分野として見てこなかったためです。

そこで研究チームは、南インド・タミルナードゥ州の都市コインバトールで消費者を調べました。インスタントスープの認知度、食べ方や買い方、好まれるブランド、各ブランドへの印象、ブランド選びに影響する要因を明らかにすることが目的です。

どのように調べたか

調査は2025年4月に行われました。対象は、市販の包装食品をふだん購入・利用している120人です。ブランドを比べられる程度に商品を知っている人が必要だったため、無作為ではなく、条件に合う人を意図的に選ぶ方法がとられました。小売店、教育機関、企業、住宅地で、決められた質問に沿った対面の聞き取りを行っています。回答者は25〜44歳の人や会社員が多く、9割近くが核家族でした。

質問では、味、手軽さ、入手しやすさ、価格、ブランド名、栄養成分、包装の7項目について、購入時にどれほど重視するかを7段階で答えてもらいました。また、各ブランドの味、健康によさそうか、価格の手頃さ、包装の質について評価を集め、ブランドの位置づけを図に表しています。さらに、人気の高いコーン味とミックスベジタブル味について、Knorr、Keya、Ching's Secretの3ブランドの味と色に順位をつけてもらい、その差を統計的に確かめました。17の質問項目への回答は、主成分分析という手法でまとめています。これは、互いに関連する多くの項目を、背後にある少数の要因に整理する方法です。

主な結果

インスタントスープを知っている人は93%に達していました。最も好まれたブランドはKnorrで、回答者の56.9%が選びました。人気の味はコーンとミックスベジタブルでした。回答者の85%は肉も食べる人でしたが、スープでは68.3%がベジタリアン向けの商品を好んでいました。著者らは、スープが普段の食事の代わりではなく、軽くてほっとできる食べ物として、特定の場面で選ばれているためだと見ています。購入場所はスーパーマーケットが81.7%で大半を占めました。買う頻度は「ときどき」が51.7%、「めったに買わない」が39.2%で、毎週買う人は1割未満でした。食べる場面は、間食の時間や、寒い日・雨の日と結びついていました。

購入時に最も重視されていたのは味で、次いで手軽さ、入手しやすさが続きました。栄養成分を重視する回答は比較的少なく、著者らは、インスタントスープが健康よりも手軽さや安心感と結びつけられていると解釈しています。

ブランドの印象には、はっきりした違いが見られました。Knorrは味がよく手頃な主流ブランドと受け止められていました。一方、Keera Kadaiは最も健康的で包装の質も高いものの、価格は手頃でないと見られており、健康志向の高価格ブランドという位置づけでした。Keyaはおおむね中間、Ching's Secretは味を重視したブランドと見られていました。

3ブランドの味と色の順位には、4つの組み合わせのいずれでも統計的に意味のある差がありました。Knorrはそのうち3つで最も好まれました。ただし、ミックスベジタブル味の味ではKeyaが最も高く評価されました。

主成分分析からは3つの要因が見つかり、合わせて回答のばらつきの69.06%を説明しました。最も大きかったのは「商品外部の属性」で、包装のデザイン、価格、健康に関する表示、栄養表示、ブランドへの信頼が含まれます。この要因だけで43.54%を説明しました。2番目は、味、香り、とろみ、塩加減などの「感覚的な魅力」でした。3番目は、体調を崩したときや寒い時期に飲む、自然な原材料を好むといった「体をいたわる用途」でした。

研究から見えること

この研究は、コインバトールの都市部の消費者について、インスタントスープはよく知られているものの、日常の食事の一部ではなく、ときどき特定の場面で口にする食べ物であることを示しています。ブランドを選ぶ際には、味に加えて、包装や表示、価格、ブランドへの信頼といった商品の「外側」の手がかりが大きな比重を占めていました。著者らはこの結果をもとに、包装や表示の工夫、健康を意識した打ち出し方が、作り手や売り手にとって重要になり得ると論じています。

著者:Samyukhtha J(Department of Agricultural and Rural Management, Tamil Nadu Agricultural University, Coimbatore 641003, Tamil Nadu, India)、K. Mahendran(Department of Agricultural and Rural Management , Tamil Nadu Agricultural University , Coimbatore 641003 , Tamil Nadu , India)、S.Moghana Lavanya(Department of Agricultural and Rural Management , Tamil Nadu Agricultural University , Coimbatore 641003 , Tamil Nadu , India)、P. Meenakshisundaram(Department of Biotechnology , Agriculture College & Research Institute , Tamil Nadu Agricultural University , Madurai - 625104 , Tamil Nadu , India)、G. Vanitha(Department of Physical science and Information Technology , Tamil Nadu Agricultural University , Coimbatore 641003 , Tamil Nadu , India)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Samyukhtha J, K. Mahendran, S.Moghana Lavanya, P. Meenakshisundaram, G. Vanitha EXTRINSIC ATTRIBUTES AND BRAND POSITIONING IN CONSUMER PREFERENCE FOR INSTANT SOUP MIXES IN URBAN INDIA. Genetics and Molecular Research 2026-09-23. DOI: 10.4238/rcg8cg43. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。