「サプリメントでコレステロールが下がる」——そんな話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。スタチンをはじめとする薬はコレステロールを下げる効果が確立していますが、副作用への不安や薬を使うこと自体への抵抗感から、治療を続けにくいと感じる人も少なくないといわれています。そうした背景から、ニンニクや緑茶、紅麹といった身近な植物由来の製品が、コレステロール対策の選択肢として注目されています。今回紹介する論文は、こうしたハーブ製品・機能性食品成分について、これまでの研究をまとめたナラティブレビュー(既存文献を整理して論じる総説)です。

研究でわかったこと

この論文では、高コレステロール血症が動脈硬化性疾患の主要な危険因子であり、世界的な有病率はおよそ24%にのぼるとされています。そのうえで、ニンニク、緑茶、グッグル、紅麹、フェヌグリーク、アーティチョーク、ベルベリンという7種類のハーブ製品・機能性食品成分を対象に、それぞれの脂質を調整する仕組み、臨床的な有効性、安全性について既存研究を整理しています。

これらの成分は、コレステロール合成にかかわる酵素(HMG-CoA還元酵素)の働きを抑える、LDL受容体の働きを高める、腸でのコレステロール吸収を減らす、胆汁酸の排出を促すなど、多様な仕組みで脂質に働きかけると報告されています。中でも紅麹は、ロバスタチンという成分を含むことから最も強いエビデンスがあるとされ、LDLコレステロールを15〜34%低下させたという報告が紹介されています。ベルベリンとアーティチョーク葉抽出物についても、一貫した脂質低下効果が示されているとされています。一方、ニンニク、緑茶、フェヌグリークについては、効果を示唆する研究はあるものの、研究間で結果にばらつきがあると述べられています。グッグルについては特に結果が一致しておらず、一部の試験ではむしろ脂質面で好ましくない結果が報告されたとされています。

この研究の位置づけ・読むうえでの注意

この論文は、複数の既存研究を著者らの視点で整理・要約したナラティブレビューという形式であり、新たに臨床試験を行ったものではありません。論文中でも、これらの成分の効果や長期的な安全性を確認するには、標準化された大規模なランダム化比較試験が今後必要だと指摘されています。また、著者らは、これらの機能性食品は生活習慣の改善と組み合わせた補助的な選択肢となりうるものであり、確立された薬物療法に取って代わるものではないと結論づけています。成分ごとにエビデンスの強さにも差があり、特にグッグルのように結果が一致していないものもある点には注意が必要です。

まとめ

このレビュー論文では、ニンニク・緑茶・グッグル・紅麹・フェヌグリーク・アーティチョーク・ベルベリンという7種類のハーブ製品・機能性食品成分について、コレステロールを調整する仕組みや臨床研究の結果が整理されました。紅麹やベルベリン、アーティチョーク葉抽出物は比較的一貫した効果が報告されている一方、ニンニクや緑茶、フェヌグリークは研究によって結果にばらつきがあり、グッグルは相反する結果も報告されています。著者らは、これらはあくまで生活習慣改善と併用する補助的な選択肢であり、既存の薬物療法に代わるものではないとしたうえで、今後さらに大規模で標準化された研究が必要だと述べています。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:コレステロール低下のためのハーブ製品:ナラティブレビュー(ジャーナル・オブ・エデュケーション・ヘルス・アンド・スポーツ・2026年07月)