この研究は、アメリカの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Frontiers in Nutrition
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
何を論じた研究か
食事と食事のあいだにとる間食は、欧米型の食生活では1日の摂取エネルギーの20%以上を占めると、この論文は指摘しています。しかも間食の多くは、エネルギー密度が高く、同時においしいものです。ここでいうエネルギー密度とは、食品100グラムあたりに含まれるカロリーの多さのことで、同じ重さでもカロリーが高い食品ほどエネルギー密度が高いと表現されます。
著者らはこの論文を「パースペクティブ(展望・視点)」として位置づけ、責任ある間食のとり方を支える科学的な根拠を整理しています。取り上げたのは、エネルギー密度、一回に食べる量(ポーション)の管理、包装の工夫、味と食感、そして意識的に食べることの5つの観点です。
論文が紹介している主な知見
まず、実験室での研究から、エネルギー密度の高い間食を果物や全粒穀物と組み合わせると、その食事機会全体のエネルギー密度が下がり、結果として摂取カロリーが少なくなることが示されている、と著者らは述べています。
次に、エネルギー密度の高い食品の一回分の量を減らすことも、実験室で検証されたカロリー管理の方法として挙げられています。包装についても、一個ずつ個包装された間食によって、メーカーが一食分あたりのカロリーを150〜200キロカロリーに抑えられるようになったと紹介されています。
さらに、味や食感の工夫によって食べる速さが遅くなり、より少ないカロリーでより高い満足感が得られる可能性があると論じています。加えて、注意を向けて食べること(attentive eating)は、他者と食卓を囲む場面で働く社会的な仕組みを通じて、食べる量の調整につながりうるとしています。
食事指針との関係と、著者らが示す意味
著者らは、米国人のための食生活指針(DGA)や専門職団体が以前から、健康的な食生活には食事と間食の両方が含まれうると述べてきた点に触れています。そのうえで、2025〜30年版のDGAが、子どもも大人も1日の必要エネルギーの範囲内におさまるようエネルギー密度の高い食品を少なめの量でとることを具体的に勧めており、この論文の視点と非常に近いと位置づけています。
結びとして著者らが強調するのは、より健康的な間食を実現する責任は消費者だけにあるのではない、という点です。消費者に向けた行動面の工夫は、個包装された一食分の提供、製品の配合、情報の透明性、分かりやすい表示といった、製造者側の取り組みによって補われる必要があると論じています。間食を「やめるか否か」の問題としてではなく、量・組み合わせ・提供のされ方を設計する問題としてとらえ直す視点が、この論文から伝わってきます。
著者:Federico Canzoneri(Ferrero Group, Soremartec Italia Srl)、Adam Drewnowski(Center for Public Health Nutrition, University of Washington)、Barbara J. Rolls(Department of Nutritional Sciences, The Pennsylvania State University)、Francesco Tramontin(Ferrero Group, Ferrero International SA)、Emanuela Cavalli(Ferrero Group, Soremartec Italia Srl)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Federico Canzoneri, Adam Drewnowski, Barbara J. Rolls, et al. Managing snacking behaviors through energy density, portion control, sensory properties, and packaging. Frontiers in Nutrition 2026-09-17. DOI: 10.3389/fnut.2026.1919469. 原著ライセンス:CC BY.