この研究は、トルコの研究機関の研究論文です。

掲載誌:International Journal of Secondary Metabolite

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

同じ品種の中から、優れた特徴を持つ樹を探す

研究チームは、トルコのデニズリ県チャル地区で長年栽培されてきたブドウ品種「Çalkarası」を対象に、収量や果実品質の面で優れた特徴を持つ樹を選ぶための研究を行いました。同じ品種の中に、房の大きさや果粒の重さ、含まれる成分にどのような違いがあるかを調べ、選抜に役立つ特徴を明らかにすることが目的です。

まず地域の畑を調査し、目に見える病害虫の被害がなく、生育や収穫時の実り、房の状態が良好な樹を候補として選びました。そのうち番号を付けた8系統について、収穫した果実を比較しました。測定したのは、房と果粒の大きさ・重さ、果皮の色、糖などを含む可溶性固形分、酸度、フェノール類やフラボノイド類の総量など、19の特徴です。抗酸化活性は、果実の抽出液が鉄イオンを還元する力を実験室で測る方法で評価しました。

房の特徴と果粒の特徴で異なるまとまり

著者らは、同じ品種でも系統によって特徴に幅があると報告しています。房の重さは216~414グラム、果粒100個の重さは94.10~144.20グラムでした。成分面でも、総フェノール量、総フラボノイド量、抗酸化活性に大きな違いが見られました。

特徴の似た系統をまとめる分析では、大きく二つのグループに分かれました。一方はÇalkarası-1、-2、-3、-4、-5で、なかでも-1と-2はよく似ており、房の長さや重さ、フェノール類・フラボノイド類の量などが高い特徴を持っていました。-4は総フェノール量、房の重さ、可溶性固形分が高く、-3は房の数や幅、抗酸化活性などで特徴を示しました。

もう一方はÇalkarası-6、-7、-8でした。-6は果粒の長さと100粒の重さ、色の指標で際立っていました。-7と-8は抗酸化活性や果皮の明るさ、果粒の幅が高い一方、房の重さや長さは概して低い傾向を示しました。すべての特徴で一つの系統が優れるのではなく、系統ごとに異なる強みがあるという結果です。

選抜では、複数の特徴を合わせて見る

特徴同士の関係を見ると、房の数が多い系統ほど、果粒の長さや100粒の重さが小さい傾向がありました。また、総フラボノイド量と抗酸化活性には強い負の相関が見られました。著者らは、測定された抗酸化活性にはフラボノイド以外のフェノール類なども寄与している可能性を示しています。これは成分量と実験室で測った活性との関係であり、食べた人への健康効果を調べた結果ではありません。

論文は、Çalkarasıの中にあるこうした多様性を、収量と果実品質を重視した選抜の基盤と位置付けています。房の数や重さ、果粒の大きさ、成分の特徴を合わせて見ることで、何を重視するかに応じて候補を選べることが、この研究から伝わります。

著者:Turan Karadeniz(PAMUKKALE UNIVERSITY)、Levent Kırca(Pamukkale Üniversitesi Ziraat Fakültesi)、Hayri Sağlam(PAMUKKALE UNIVERSITY)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Turan Karadeniz, Levent Kırca, Hayri Sağlam. Selection of superior vine clones from the ‘Çalkarası’ grape population grown in Çal district (Denizli, Türkiye). International Journal of Secondary Metabolite 2026-09-17. DOI: 10.21448/ijsm.1803224. 原著ライセンス:CC BY.