この研究は、インドの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Journal of Scientific Research and Reports
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
豆類は比較的安価な植物性たんぱく質の供給源です。しかし、緑豆(学名 Vigna radiata L.)は、粒のまま、ダール(豆を煮込んだ料理)、もやしとして食べられることが多く、長時間水に浸して煮る手間がかかります。
著者らによると、発芽させた豆類を使った、すぐに食べられる製品の経済評価はまれです。この研究では、発芽緑豆のフレークを作る小規模な加工施設を想定し、商業的に成り立つかどうかを評価しました。具体的には、固定費と変動費、費用便益比、損益分岐点、投資回収期間を調べています。
想定した生産方法と試算の方法
想定した製法では、発芽させた緑豆を2%の塩化ナトリウム(食塩)で前処理し、マイクロ波で3.5分加熱したあと、60分間乾燥させます。製品は、味付けのないプレーンのフレークと、付加価値を高めたマサラ風味のミックスの2種類です。
施設の処理能力は1日40キログラム、稼働日は年300日と仮定しました。費用の算出には標準的な原価計算の手順を使い、金利は10%として計算しています。
評価に使った指標のうち、費用便益比は得られる便益を費用で割った値で、1を上回れば費用以上の収入が見込めることを示します。損益分岐量は、赤字にならないために必要な1日あたりの量です。投資回収期間は、最初の投資額を取り戻すまでにかかる年数です。
主な結果
初期投資の総額は95万5000ルピーと見積もられました。1キログラムあたりの生産費は、プレーンが163.65ルピー、マサラ風味が174.77ルピーでした。
販売価格をプレーン1キログラム195ルピー、マサラ風味215ルピーと仮定した場合、費用便益比はプレーンが1.19、マサラ風味が1.23でした。損益分岐量は1日あたりそれぞれ16.79キログラムと14.42キログラムで、投資回収期間はプレーンが2.54年、マサラ風味が1.98年でした。
変動費の73.4%は原料の緑豆が占めていました。また、感度分析では、原料価格が10%上下すると、総費用が1キログラムあたり10.35ルピー増減すると報告されています。
研究が示すこと
著者らは、設定した条件の下では2種類の製品とも経済的に成り立ち、マサラ風味のほうが高い収益をもたらすと結論づけています。
この結論は、処理能力、稼働日数、販売価格、金利などの仮定に基づく試算です。変動費の大半を原料の緑豆が占めることから、原料価格の動きが費用に影響する点も分析で示されています。この研究は、調理に手間のかかる緑豆をすぐに食べられる加工品にする小規模事業について、採算の見通しを具体的な数字で示したものといえます。
著者:Mallela Prem Kumar(Department of Processing and Food Engineering, College of Agricultural Engineering, University of Agricultural Sciences, Bengaluru-560065, India and Division of Agricultural Engineering, ICAR-Indian Agricultural Research Institute, New Delhi, India)、P.N. Krishnamma(Department of Processing and Food Engineering, College of Agricultural Engineering, University of Agricultural Sciences, Bengaluru-560065, India)、M.S. Sreedevi(AICRP (FIM), Zonal Agricultural Research Station, V.C. Farm, Mandya, Karnataka, India)、C. Aparna(Department of Soil and Water Conservation Engineering, Dr. NTR College of Agricultural Engineering, Bapatla, India)、R. T. Lokesh(Division of Food science and Post harvest Technology, ICAR - IARI Pusa, New Delhi, India)、Kishore Nalabolu(Department of Farm Machinery and Power Engineering, Dr. NTR College of Agricultural Engineering, Bapatla, India)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mallela Prem Kumar, P.N. Krishnamma, M.S. Sreedevi, et al. Cost–Benefit Analysis of Microwave-Cooked Sprouted Green Gram (Vigna radiata L.) Flakes Production. Journal of Scientific Research and Reports 2026-10-12. DOI: 10.9734/jsrr/2026/v32i104607. 原著ライセンス:CC BY.