著者の所属・活動拠点の国は、中国です。

掲載誌:CyTA - Journal of Food

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

健康食品として流通する栄養補助食品の中に、本来含まれてはならない医薬品成分が違法に加えられていないかを確かめることは、製品の安全性を守るうえで重要です。研究チームは、シルデナフィルに代表される「ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害薬」と呼ばれる医薬品成分のグループと、タダラフィルの類似化合物を対象に、栄養補助食品からこれらを素早く見つけ出し、含有量を測定する方法の開発を目指しました。

どのような方法を調べたか

著者らが用いたのは、超高速液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析(UPLC-MS/MS)という手法です。試料に含まれる成分を液体の流れの中で分離し、その後、分子の質量に関する情報を二段階で測定して物質を見分けます。研究チームは、この方法がどれほど少量の成分まで捉えられるか(感度)、測定値が正しい値にどれだけ近いか(正確さ)、繰り返し測ったときに結果がどれだけそろうか(精度)、さらに食品に含まれる他の成分が測定に与える影響(マトリックス効果)を評価しました。

主な結果

論文によると、0.8〜80.0 μg/mLの濃度範囲で、濃度と測定信号の間に良好な比例関係が得られ、その当てはまりの良さを示す決定係数は0.9968〜0.9980でした。検出できる最小量(検出限界)は0.01 μg/mg、定量できる最小量(定量限界)は0.02 μg/mgと報告されています。

既知の量の成分を加えて回収できる割合を3つの濃度(0.8、8.0、80.0 μg/mL)で調べたところ、回収率は87.3〜102.4%で、測定値のばらつきを示す相対標準偏差は7.5%以下でした。

研究チームはこの方法を市販の栄養補助食品50製品に適用し、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、アセトアミノタダラフィルが、1回分あたり0.001〜22.5 mgの濃度で検出されたと報告しています。

研究が示すこと

著者らは、この方法が高い感度と良好な再現性、十分な選択性を備え、検証された対象成分について、栄養補助食品の一次的な選別と含有量の測定に利用できると結論づけています。市販製品から実際に医薬品成分が検出されたという報告は、こうした成分の混入を見つけるための検査手段の必要性を示すものといえます。

著者:Feng Zhang(Environmental and food and drug crime investigation detachment, Hangzhou Municipal Public Security Bureau)、Xueying Shen(New Drug R&D Center, Hangzhou Zhongmei Huadong Pharmaceutical Co., Ltd., Hangzhou, Zhejiang, People's Republic of China)、Ying Zou(Outpatient Office, Hangzhou Yuhang Yekaitai Comprehensive Clinic Co., Ltd., Hangzhou, Zhejiang, People's Republic of China)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Feng Zhang, Xueying Shen, Ying Zou. Detection and analysis of illegally added sildenafil and its analogues in dietary supplements. CyTA - Journal of Food 2026-10-13. DOI: 10.1080/19476337.2026.2743028. 原著ライセンス:CC BY.