著者の所属・活動拠点の国は、インドです。

掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

キッスス・クアドラングラリス(Cissus quadrangularis L.、ブドウ科)は、インドでハドジョッドやアスティサンハリとも呼ばれる植物で、インドの伝統医学で長く使われてきました。サンスクリット語の文献では「アスティサンハリ」と呼ばれ、骨をつなぐこと、あるいは骨の治癒に関わるという意味をもつと著者らは紹介しています。

この論文は、新たな実験を行った研究ではなく、既存の情報をまとめるレビュー(総説)です。著者らは、この植物の栄養面の特徴と、伝統的な利用や料理での使われ方を整理することを目的としました。

どのように調べたか

著者らは、オンラインのデータベース、地域ごとの植物誌(その地域に生える植物を記録した資料)、すでに発表された報告から、さまざまな情報を集めました。集めた情報を批判的に検討し、体系的に整理してレビューとして示しています。

主な報告内容

論文によると、さまざまな地域社会に伝わる知識から、この植物が多様な用途をもち、食や健康管理の習慣に組み込まれてきたことが示されました。

薬としての利用に加えて、この植物は食べ物としても使われてきたと報告されています。特に食用とされてきたのは若い茎です。

これまでに報告された栄養に関する研究では、茎に炭水化物、たんぱく質、食物繊維、脂質、ミネラルがかなりの量含まれているとされています。著者らはこの点から、機能性食品(栄養以外の働きも期待される食品)の素材としての可能性を指摘しています。ただし、この紹介のもとになった抄録には、具体的な含有量の数値は示されていません。

研究が示す意味

著者らは、集めた情報から、この植物が伝統医学、食、栄養、文化遺産を結びつける存在だと考えられるとまとめています。

一方で、栄養素が体にどの程度吸収・利用されるか、調理や加工でどう変わるか、安全性、そして臨床での有効性については、まだ確かめられていないと著者らは述べています。このレビューは、文化的に大切にされてきた薬用・食用植物としての位置づけを整理し、今後の科学的な検討の対象として示したものといえます。

原著論文の著者・所属:Sharma, Sandhya(Department of Botany, Government Arts and Commerce College, Rau, Indore, Madhya Pradesh, India)、Kumari, Rani Runam(Department of Botany, Bhupendra Narayan Mandal University, Madhepura, Bihar, India)、Bandod, Pyaree(Department of Botany, Government Arts and Commerce College, Rau, Indore, Madhya Pradesh, India)、Sharma, Ankita(Department of Botany, Government Arts and Commerce College, Rau, Indore, Madhya Pradesh, India)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sharma, Sandhya, Kumari, Rani Runam, Bandod, Pyaree, et al. Hadjod in tradition: cultural uses and food value of Cissus quadrangularis L. (Vitaceae). Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-08-19. DOI: 10.5281/zenodo.22006002. 原著ライセンス:CC BY.