掲載誌:The Journal of Almaty Technological University
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
肉と野菜などの植物原料を組み合わせた加工食品への関心が高まっています。研究チームは、馬肉を主原料とする「ソーセージローフ」に植物原料を加えた配合を開発しました。この研究のソーセージローフは、ひき肉の生地を細長いパン(ローフ)のような形にまとめて焼き上げた肉製品です。そのうえで、植物原料の量が製品の成分や食味にどう影響するかを調べました。
著者らは、馬肉はたんぱく質が多く脂肪が比較的少ない肉で、ニンジン、ジャガイモ、カボチャは食物繊維などの供給源になると説明しています。一方で、馬肉と野菜を組み合わせた製品はまだ十分に研究されていないとし、この点を研究の新しさとして挙げています。
何をどのように調べたか
研究チームは、植物原料を入れない対照試料と、2種類の試験試料を作って比べました。試験試料では、肉と植物原料を合わせた基材のうち植物原料が20%または30%を占めます。肉と植物原料の比率は、20%の試料で400gと100g、30%の試料で350gと150gです。植物原料にはニンジン、ジャガイモ、カボチャを混ぜたものを使い、亜硝酸塩を含む塩と、黒こしょう、バジル、パプリカなどの香辛料も加えました。
生地はおよそ500gの細長い形に成形し、180℃で焼きました。中心温度が75〜80℃に達した時点で焼き上がりとし、冷ました後に真空包装して品質を評価しました。
評価項目は、水分、たんぱく質、脂肪、灰分(ミネラル分の目安)、食物繊維の量です。加えて、酸性度を表すpHと、食品中の水のうち微生物などが利用しやすい「自由な水」の割合を示す水分活性も測定しました。食味については、評価者が外観、断面の色、食感(硬さや舌ざわり)、味、香りの5項目を9点満点で採点しました。
主な結果
植物原料を加えると、製品の水分は増え、脂肪は減りました。水分は対照試料で61.5%、20%の試料で69.1%、30%の試料で72.1%でした。脂肪は対照試料の約17%から、20%の試料で約15%、30%の試料で約13%に下がりました。著者らは、脂肪が減った理由として、脂肪を含む肉の一部が脂肪の少ない植物原料に置き換わったことを挙げています。また、水分が増えた理由については、植物原料に含まれる食物繊維が水を保持するためだと説明しています。
食物繊維は対照試料ではほとんど含まれていませんでした。植物原料を加えた試料では、20%の試料で約5%、30%の試料で約8%に増えました。たんぱく質の割合は、水分の増加や植物原料のたんぱく質の少なさから、試験試料のほうが低くなりました。
pHはどの試料も5.8〜6.0で、大きな差はありませんでした。水分活性は対照試料が約0.97で、植物原料を加えた試料はやや低く、20%の試料で約0.92、30%の試料で約0.94でした。著者らは、水分の一部が植物原料の成分に結び付いたためではないかと考えています。
食味評価では、対照試料がほぼすべての項目で9点の最高評価でした。20%の試料は外観が対照と同じ9点で、そのほかの項目もおよそ8点と、対照よりわずかに低いだけでした。30%の試料は外観と色が8点、食感、味、香りが7点にとどまりました。著者らは、植物原料が多いと食感が柔らかくなり、肉らしい味や香りが弱まったと報告しています。
この研究が示すこと
著者らは、成分と食味の結果を総合して、今回の配合では植物原料を20%にするのが妥当だと結論づけています。この割合であれば、食物繊維を増やし脂肪を減らしながら、食味はほとんど損なわれず、対照にわずかに劣る程度にとどまるという判断です。研究は、馬肉と野菜を組み合わせた肉製品の配合を考えるうえで一つの具体的な目安を示しています。
なお、微生物の検査や保存中の品質変化は今回は調べていません。著者らは、賞味期限を定めるには別に微生物学的な検討が必要だとしています。
著者:Urishbay Chomanov(Kazakh Scientific Research Institute of Processing and Food Industry LLP)、Gulmira Kenenbay(Kazakh Scientific Research Institute of Processing and Food Industry LLP)、Assem Boribay(International University of Engineering and Technology)、Ж.К. Токанова(International University of Engineering and Technology)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Urishbay Chomanov, Gulmira Kenenbay, Assem Boribay, et al. Development of a horsemeat sausage loaf formulation with the addition of plant-based components. The Journal of Almaty Technological University 2026-09-30. DOI: 10.48184/2304-568x-2026-3-142-152. 原著ライセンス:CC BY.