著者の所属・活動拠点の国は、スリランカです。
掲載誌:TURKISH JOURNAL OF VETERINARY AND ANIMAL SCIENCES
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
肉を調味液に漬ける「マリネ」は、味付けのほか、加熱後の仕上がりや食感にも関わる下ごしらえです。研究チームは、ウズラの一種であるニホンウズラの胸肉について、どの漬け込み方法を選び、どの温度で何時間置くと、肉の物理的・化学的な性質や、人が食べたときの評価が良くなるのかを調べました。
何を調べたか
抄録によると、試料は生後42日のニホンウズラ(雌雄を区別していない)から骨を取り除いた胸肉96枚で、1枚の平均重量は約10グラムでした。
漬け込み方法は4通りです。調味液に漬けない対照、回転する容器の中で肉を転がしながら調味液をなじませる「タンブリング」、注射針で調味液を肉の内部へ注入する「インジェクション」、調味液に浸しておく「浸漬」を比べました。これに、漬け込み後に置いておく温度(4℃と8℃)と時間(4時間、8時間、12時間)を組み合わせています。
評価項目には、肉が調味液を吸収した量、加熱後に残る重量の割合である調理歩留まり、加熱で失われる重量である調理損失、肉のpH(酸性・アルカリ性の度合い)、硬さ、表面の明るさを示す色の指標(L*値)が含まれます。さらに、評価者(パネル)が色、香り、調味液のしみ込み具合、風味、総合的な好ましさを採点しました。
主な結果
調味液の吸収量はインジェクションで最も多かったと報告されています。また、調理歩留まり、pH、硬さ、調理損失、表面の明るさについては、漬け込み方法・温度・時間の三つの条件が互いに影響し合う組み合わせ効果が統計的に有意でした。
個別の結果として、pHが最も高かったのは漬け込みをしない対照を8時間置いた場合でした。調理損失は、対照、タンブリング、浸漬の肉を12時間置いた場合に小さくなりました。硬さについては、温度にかかわらず、4時間置いた場合に四つの処理すべてで最も低くなったとされています。
条件の組み合わせで見ると、タンブリングで漬け込み8℃で12時間置いた肉は、調理歩留まりが最大の60.3%となり、調理損失、硬さ、表面の明るさが最小でした。一方、評価者の採点では、インジェクションで漬け込み4℃で4時間置いた肉が、色、香り、調味液のしみ込み具合、風味、総合的な好ましさのいずれでも最高点を得ました。
著者らは、全体的な肉質の面ではタンブリング後に8℃で12時間置いたものが最も良く、評価者からはインジェクション後に4℃で4時間置いたものが最も高く評価されたと結論づけています。
研究が示すこと
この研究は、ウズラ胸肉の仕上がりが漬け込み方法だけでなく、置いておく温度や時間との組み合わせによって変わることを示しています。また、測定値で見た肉質が最も良い条件と、評価者が最も好んだ条件が一致しなかった点も、報告された結果の特徴です。
原著論文の著者・所属:NAVEEN UDUWAWITHANA(Department of Livestock Production, Faculty of Agricultural Sciences, Sabaragamuwa University of Sri Lanka, Belihuloya, Sri Lanka)、RUVINI MUTUCUMARANA(Department of Livestock Production, Faculty of Agricultural Sciences, Sabaragamuwa University of Sri Lanka, Belihuloya, Sri Lanka)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):NAVEEN UDUWAWITHANA, RUVINI MUTUCUMARANA. Optimizing marination methodology, holding temperature, and holding time to upgrade the physicochemical and sensorial attributes of Japanese quail (Coturnix japonica) breast fillets. TURKISH JOURNAL OF VETERINARY AND ANIMAL SCIENCES 2026-10-15. DOI: 10.55730/1300-0128.4545. 原著ライセンス:CC BY.