著者の所属・活動拠点の国は、韓国です。
掲載誌:Nutrients
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
食べ物系動画と飲み物の関係を調べる
韓国では、出演者が視聴者とやり取りしながら食事をする「モッパン(食べる放送)」や、料理を作って食べることも多い「クッパン(料理放送)」と呼ばれるオンライン動画が人気で、10代の若者もよく視聴しています。著者らは、両者をまとめて「食べ物関連のオンラインメディア」と呼んでいます。
こうした動画を頻繁に見る青少年は、エネルギーの高い食品を多くとる傾向があると報告されてきました。しかし飲み物との関係はあまり調べられていません。特に、砂糖の代わりに人工甘味料で甘みをつけた、いわゆる「ゼロ飲料」との関連を青少年で調べた研究は、著者らの知る限りこれまでなかったといいます。
そこで研究チームは、食べ物関連の動画をよく見ることと、砂糖入りの甘い飲み物(加糖飲料)や人工甘味料入りの飲み物(人工甘味料飲料)を飲む頻度との間に関連があるかを調べました。さらに、その関連が男女や中学生・高校生で違うかどうかも検討しました。
全国調査のデータを使った分析
分析には、韓国の青少年を対象に毎年行われている全国規模の健康行動調査の2025年データが使われました。生徒は匿名のオンライン質問票に自分で回答しています。
過去12か月にモッパンやクッパンを見た頻度をもとに、週5回以上見る「頻繁な視聴者」と、月1回未満または全く見ない「ほとんど見ない人」の2群に分けました。違いをはっきり比べるため、その中間の頻度の生徒は主な分析から除かれています。最終的に2万7104人が分析対象となり、そのうち4354人が頻繁な視聴者でした。
飲み物については、過去7日間に炭酸飲料、エナジードリンク、スポーツ飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、甘い牛乳などの加糖飲料をどのくらいの頻度で飲んだか、また、コーラゼロなどのゼロ飲料をどのくらいの頻度で飲んだかを尋ねています。飲んだ量ではなく、回数を尋ねる質問です。
研究チームは、年齢、学業成績、家庭の経済状況の自己評価、体重管理の取り組み、運動、睡眠、喫煙・飲酒、体格、スマートフォンの利用時間などの影響を統計的に調整しました。そのうえで、飲み物を全く飲まない状態と比べて、各頻度で飲むことの「オッズ(起こりやすさを表す指標)」が、二つの視聴群の間でどれだけ違うかを推定しました。
主な結果:よく見る生徒ほど甘い飲み物をよく飲む傾向
加糖飲料では、動画を頻繁に見る生徒は、ほとんど見ない生徒に比べて、加糖飲料を週7回以上飲むことのオッズが高いという結果でした。その関連は女子(約1.37倍)より男子(約1.79倍)で、高校生(約1.28倍)より中学生(約2.07倍)で強く見られました。
人工甘味料飲料では、男女とも、頻繁な視聴者はどの摂取頻度でもオッズが高くなっていました。調整後のオッズ比は、男子で約1.36〜3.98倍、女子で約1.24〜2.20倍で、男子のほうが全般に強い関連を示しました。研究チームは事前に、人工甘味料飲料との関連は女子で強いと予想していましたが、結果はその予想とは逆でした。
中学生と高校生の比較では、人工甘味料飲料を週7回以上飲むことの関連は中学生で大きく、週3〜4回では高校生で大きいなど、摂取頻度によって違う様子が見られました。ただし、人工甘味料飲料について、学校段階による違いそのものは統計的に有意ではありませんでした。
中間の頻度の視聴者を含めた分析や、別の統計手法を用いた確認でも、頻繁な視聴者で関連が見られるという方向は全般に一致していたと報告されています。
この研究が示すこと
この研究は、食べ物関連のオンライン動画をよく見る青少年が、砂糖入りの飲み物だけでなく、ゼロ飲料のような人工甘味料入りの飲み物も頻繁に飲む傾向にあることを示しました。ただし、ある時点の調査データの分析であるため、動画の視聴が飲み物の選び方を変えたのかどうか、つまり原因と結果の関係までは分かりません。
著者らは、関連の強さが性別や学校段階によって異なることから、青少年の甘い飲み物の摂取を減らす取り組みを考える際には、こうした集団ごとの違いを考慮することが重要だと結論づけています。
著者:Soo Jin Lee(Department of Food Science and Nutrition, Pusan National University, Busan 46241, Republic of Korea)、Seol Hwa Park(BK21 FOUR Program, Precision Nutrition Program for Future Global Leaders, Pusan National University, Busan 46241, Republic of Korea)、Cynthia Y. Yoon(BK21 FOUR Program, Precision Nutrition Program for Future Global Leaders, Pusan National University, Busan 46241, Republic of Korea)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Soo Jin Lee, Seol Hwa Park, Cynthia Y. Yoon. Food-Related Online Media Viewing (Mukbang and Cookbang) and Sugar-Sweetened Beverage and Artificially Sweetened Beverage Consumption Among Korean Adolescents: Using the 2025 Korea Youth Risk Behavior Survey. Nutrients 2026-10-16. DOI: 10.3390/nu18203402. 原著ライセンス:CC BY.