著者の所属・活動拠点の国は、インド、アラブ首長国連邦です。
掲載誌:Food Production Processing and Nutrition
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
超加工食品とは、元の形をとどめた食材をほとんど含まず、手軽さ、安さ、おいしさを重視して作られた食品を指します。著者らは、こうした食品には砂糖や合成添加物が加えられており、対策をとらなければ肥満や健康上の問題につながると説明しています。
この論文は、超加工食品と大腸がんの関係について、研究がどのように進んできたかを整理することを目的としたレビューです。レビューとは、新しい実験や調査を行うのではなく、既存の研究をまとめて全体像を示す論文のことです。
何を調べたか
研究チームは、学術文献データベースのScopusから、2013年から2025年に発表された273本の論文を集め、計量書誌学的な分析を行いました。計量書誌学的分析とは、論文の数や著者、共同研究の広がり、扱われているテーマなどを数量的に調べ、分野の傾向をつかむ手法です。
この分析を通じて、研究の流れ、影響力の大きい研究者や機関、研究が集中している話題、まだ十分に調べられていない領域、新たに注目されているテーマを明らかにしようとしました。
あわせて、物語的レビューとして、腸内細菌のバランスが崩れた状態(ディスバイオシス)と超加工食品の摂取との関係や、それが炎症やがんの発生にかかわる体内の仕組みとどう結びつきうるかについても論じています。
主な報告内容
著者らは、研究の集中している分野、研究が手薄な領域、共同研究の動きを示すことで、この注目されているテーマの全体像を戦略的に見渡せるようにしたと述べています。
そのうえで、この分野ではコホート研究や前向き研究をさらに増やす必要があると強調しています。コホート研究や前向き研究とは、人々の集団を一定期間追跡し、食生活などの要因と病気の発生との関連を調べる研究です。
また、超加工食品の摂取をめぐる最近の懸念にも触れ、より分かりやすく透明性の高い栄養表示の必要性や、人工知能(AI)などの技術を使って一人ひとりに合った健康的な選択を支える可能性についても議論しています。
この研究が示すこと
このレビューは、超加工食品、腸内細菌の乱れ、大腸がんという三つの要素をつなぐ研究がどこまで進み、どこに空白があるのかを整理したものです。著者らの指摘からは、この関係を確かめるには、集団を長く追跡する研究の積み重ねがまだ必要な段階にあることがうかがえます。
原著論文の著者・所属:Sneha Nayak(Nitte (Deemed to Be University), NMAM Institute of Technology (NMAMIT), Department of Biotechnology Engineering, Nitte, 574110, Karkala, India)、Arif Hussain(Manipal Institute of Health & Life Sciences, Manipal Academy of Higher Education, P.O. Box 345050, Dubai Campus, G04, Dubai, United Arab Emirates)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sneha Nayak, Arif Hussain. Demystifying the link between ultra-processed food, gut microbiome dysbiosis, and colon cancer: a narrative and bibliometric review. Food Production Processing and Nutrition 2026-08-11. DOI: 10.1186/s43014-026-00407-7. 原著ライセンス:CC BY.