ファストフードは都市部の食文化というイメージが強いかもしれませんが、地方の農村部でも身近な存在になりつつあります。今回紹介するのは、南アフリカ・リンポポ州のレファラレという地方の町で、住民のファストフード消費が所得や年齢、性別といった社会的な条件とどう結びついているのかを調べた研究です。

研究チームは、レファラレに住む18歳以上の住民1063人を対象に、横断的な調査を実施しました。構造化された質問票を用いて、ファストフードを食べる頻度に加え、年齢、性別、所得、学歴、職業、健康への意識、そして自由に使える時間の余裕についても尋ねています。得られたデータは記述統計でまとめたうえで、単変量および多変量のロジスティック回帰という統計手法によって、どの要因がファストフードの頻回摂取と関連しているかを分析しました。

ファストフードを週1回以上食べる人が半数超

調査の結果、対象者全体の58.2%が週1回以上ファストフードを摂取していると報告されました。特に18歳から24歳の若年層では、25%が毎日、35%が週1回ファストフードを食べていると答えており、他の年齢層と比べても目立つ傾向が示されています。

多変量解析では、いくつかの要因が頻回摂取のオッズ(起こりやすさの比)の高さと関連づけられました。所得が低い人は高所得者に比べてオッズが1.92倍、18歳から24歳の若年層は他の年齢層に比べてオッズが3.02倍、男性は女性に比べてオッズが1.82倍という結果です。また、学歴が高卒である人はオッズが1.65倍、健康への意識が低い人は2.12倍、そして時間的な余裕がある人は2.22倍、それぞれ頻回摂取と関連していたと報告されています。

この結果をどう読むか

この研究は、ある一時点での調査データをもとにした横断研究です。そのため、これらの要因とファストフード消費の間に統計的な関連が見られたとしても、どちらが原因でどちらが結果かという因果関係までは明らかにできない点に注意が必要です。たとえば「時間的余裕がある人ほどオッズが高い」という結果も、余裕があるからファストフードを選ぶのか、別の生活習慣が背景にあるのかは、この調査だけでは判断できません。あくまで一つの地域・集団を対象にした調査であり、これだけで一般的な結論が確定したわけではない点も踏まえて読むとよいでしょう。

まとめ

南アフリカの地方農村部を対象にしたこの調査では、住民の半数以上が週1回以上ファストフードを食べており、特に若年層、男性、低所得層、高卒学歴者、健康意識の低い人、時間に余裕のある人で頻回摂取のオッズが高いことが示されました。ファストフード消費が特定の地域や属性に限られた現象ではなく、さまざまな社会的・人口統計学的要因と絡み合っていることをうかがわせる結果といえます。

※本記事は原著論文の翻訳ではなく、研究内容を独自に解説したものです。出典(原著論文):TT Sigudu, L Nkosi, TN Mkhatshwa, et al. Association between Socio-economic and Demographic Factors and Fast-food Consumption in Lephalale, Limpopo Province, South Africa. アフリカ食品農業栄養開発ジャーナル (2026). DOI: 10.18697/ajfand.154.26990. 原著ライセンス: cc-by-nc-nd.