著者の所属・活動拠点の国は、中国です。
掲載誌:Journal of Food Composition and Analysis
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
研究チームは、貝類を食べることで取り込まれるマイクロプラスチック(微小なプラスチック粒子)の潜在的な健康リスクを調べるため、南黄海の干潟に生息する貝類を調査しました。貝類に含まれる粒子の量や特徴を明らかにし、食べる種類や部位、食べる人の年齢などによる摂取量やリスクの違いを評価することが目的です。
何を、どのように調べたか
対象は貝類10種で、マイクロプラスチックの個数、形、大きさ、色、材質を調べました。また、年間の食事由来摂取量(ADI)と推定食事由来摂取量(EDI)を用い、消化組織を取り除く場合の摂取量や、性別・年齢層による違いを評価しました。さらに、プラスチックの材質に基づくリスク指標であるポリマーリスク指数(PRI)で、貝の種類ごとの潜在的なリスクを評価しました。
主な報告結果
全10種からマイクロプラスチックが検出されました。1個体当たりの個数が最も多かったのはPerna viridisで11.73個、1グラム当たりではMercenaria mercenariaで3.5個でした。粒子には、繊維状、大きさ0.001~0.25ミリメートル、透明、材質がポリエチレンという特徴が多く見られました。摂取量の推定では、消化組織を取り除くと取り込み量が減る可能性が示され、年齢層別では高齢者と子どものリスクがより高いと報告されました。PRIによる評価では、Mercenaria mercenariaが1907.49で最も高く、危険度区分Ⅳとされました。
この報告が示すこと
研究チームは、高齢者と子どもへの注意に加え、Mercenaria mercenariaがマイクロプラスチックを取り込む重要な経路になり得る点に目を向ける必要があると述べています。この研究は、貝の種類を選ぶ際の判断材料を提供するものと位置づけられています。ただし、ここで示された健康リスクは摂取量や材質に基づく評価であり、人に生じた健康被害を直接確認した結果ではありません。
原著論文の著者・所属:Qingyuan Guo(Yancheng Institute of Technology, Yancheng, Jiangsu Province, 224051, China)、Yu Zhang(Yancheng Institute of Technology, Yancheng, Jiangsu Province, 224051, China)、Qingqin Meng(Yancheng Institute of Technology, Yancheng, Jiangsu Province, 224051, China)、Xiaomei Shen(Yancheng Institute of Technology, Yancheng, Jiangsu Province, 224051, China)、Ziyou Gu(Yancheng Institute of Technology, Yancheng, Jiangsu Province, 224051, China)、Feng Liang(National Engineering Research Center of Industrial Wastewater Detoxication and Resource Recovery, Research Center for Eco-Environmental Sciences, Chinese Academy of Sciences, Beijing, 100085, China)、Cheng Ding(Yancheng Institute of Technology, Yancheng, Jiangsu Province, 224051, China)、Min Xu(Department of Pediatrics, Affiliated Hospital 6 of Nantong University, Yancheng Third People's Hospital, JiangSu Yancheng, China)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Qingyuan Guo, Yu Zhang, Qingqin Meng, et al. Comprehensive Characterization and Human Health Risk Assessment of Microplastics in Ten Shellfish Species from the South Yellow Sea Mudflat: Implications for Safe Seafood Consumption. Journal of Food Composition and Analysis 2026-11-01. DOI: 10.1016/j.jfca.2026.109659. 原著ライセンス:CC BY.