朝食シリアルやスナック菓子でおなじみの「押出(エクストルーダー)製品」。原料を高温高圧の装置に通し、膨化させて作るあのサクサクした食感の食品です。今回紹介するのは、大麦を主原料にしつつ、オーツ麦ふすまやキヌア粉といった栄養価の高い副原料を組み合わせることで、この押出製品の栄養バランスを高められないかを調べた研究です。完全でバランスの取れた栄養をとることの重要性が高まる中、身近な食品に機能性を持たせる工夫として、こうした「強化食品」の開発が注目されているという背景があります。
研究チームは、大麦スティックという押出製品を試作し、その品質を評価しました。レシピは、主原料として大麦粉を50%、副原料としてキヌア粉・オーツ麦ふすま・アーモンドオイルを合わせて50%配合するというものです。ヴォルゴグラード国立農業大学の研究室で試作品が作られ、外観や香り、味といった官能評価(人の感覚による評価)と、栄養成分などの理化学的な指標の両面から品質が調べられました。
その結果、官能評価と理化学的指標はいずれもロシアの規格(GOST R 50365-92)の基準を満たしていたと報告されています。試作されたスティックは、見た目が細くて軽やか、気泡による膨らみがあり、粉砂糖をまぶした薄茶色で、穀物らしい香りがはっきりと感じられ、味はやや甘く、食感はもろく崩れやすい(サクサクした)ものだったとされています。栄養面では、100gあたりのエネルギーが171kcalで、食物繊維量は9.37mgであり、これは主に大麦粉の添加によるものだと説明されています。
この研究をどう読むか
この研究は、大麦粉を主原料とし、キヌア粉とオーツ麦ふすまを組み合わせた大麦スティックという一つの試作品について、品質指標を確認したという位置づけのものです。要旨からは、この配合が健康に良い影響を与えるかどうかまでは述べられておらず、あくまで「規格に沿った品質の製品ができた」という開発・評価の段階の報告です。一つの研究であり、結論が確定したわけではない点には留意しておきたいところです。
まとめ
大麦粉にキヌア粉やオーツ麦ふすまを組み合わせた押出スティックが試作され、官能評価・理化学的評価の両面でロシアの規格基準を満たしたと報告された研究でした。食物繊維を含む栄養価が示された一方で、これは製品開発の一段階を示すものであり、今後さらなる検証が続けられていくものと考えられます。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:強化添加物が押出穀物製品の品質指標に与える影響(ノーヴィエ・テフノロギー(新技術)・2026年01月)