この研究は、ナイジェリアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Exploration of Foods and Foodomics

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

精製された炭水化物や添加糖を多く含む高度に加工された食品の広がりが、食事に関連する非感染性疾患の世界的な増加と強く結びついていると、この総説の著者らは指摘しています。こうした食品は食後の血糖値を急激に上昇させ、酸化ストレスやインスリン抵抗性、炎症を招き、2型糖尿病や心血管疾患といった代謝性疾患の発症につながるとされています。

そこで著者らが提示するのが「デグリケーション(deglycaemation)」という考え方です。これは単一の栄養介入や加工技術を指すものではなく、日常的によく食べられている食品の血糖への影響を、おいしさや栄養価を損なわないまま抑えることを目指す、分野横断的で体系的な枠組みとして位置づけられています。

総説が整理した内容

本論文は新たな実験を行ったものではなく、既存の知見を統合した総説(レビュー)です。著者らは、食後の血糖の動きを左右する主な要因として、でんぷんの構造、食品マトリックス(食品中で成分が組み合わさってできる構造)の性質、食物繊維、ポリフェノール、発酵、天然甘味料を取り上げ、それぞれに関する研究結果を整理しています。

そのうえで、デグリケーションの具体的な手立てとして注目されているものを紹介しています。消化されにくい「レジスタントスターチ」を生成させる方法、機能性成分を強化する手法、植物由来の原料を用いた素材の置き換えなどであり、これらが代謝面で最適化された機能性食品を作り出す可能性を持つと述べられています。

健康だけにとどまらない論点

著者らは代謝の健康という側面に加えて、デグリケーションが持続可能性にもたらす意味にも触れています。資源を循環させる経済(サーキュラーエコノミー)の考え方や、農産加工の過程で出る副産物・廃棄物を価値ある素材として活用する取り組みと結びつけて論じられています。

総説の結論として著者らは、デグリケーションを、より健康的で持続可能な食料システムを築くための有望な学際的枠組みとして位置づけています。食品の加工や設計をどう見直すかという問いが、個々の栄養素の話にとどまらず、食料システム全体の課題として捉え直されている点が、この論文の示す視点です。

著者:Ayokunle O. Ademosun(Functional Foods and Nutraceuticals Unit, Department of Biochemistry, Federal University of Technology, Akure 340001, Nigeria)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Ayokunle O. Ademosun. Deglycaemation: a sustainable food systems strategy for developing low-glycemic foods through polyphenol enrichment, dietary fiber optimization, and starch structure modification. Exploration of Foods and Foodomics 2026-09-14. DOI: 10.37349/eff.2026.1010190. 原著ライセンス:CC BY.